▲さんを探し続ける▽さんの話ノボリがいなくなった。最初はどこに隠れたのかなんて思ってあちこちを探していた。
ギアステにいない。よく行くお店にもいない。家に帰ってこない。
僕、なんか悪いことしちゃったのかな。なんで少しだけ焦って、見つけたらノボリが怒ってる原因聞いて、ごめんなさいって言う。
でも、ノボリが帰ってくることはなくて。
どこ探したっていなくて。
捜索願出したって見つかんなくて。
どこに行っちゃったの、ノボリ。
ノボリにとって、僕は帰る場所にならなかったのかな。帰りたくなくて姿消しちゃったのかな。暗いことばかり考えてしまう。もしかして…………。いけない。鉄道員のみんなだって心配してる。泣いちゃダメだ。前向きに考えなきゃ。
「ノボリさんは絶対クダリさんから離れること無いと思いますよ。だから、いなくなったのは神隠しみたいなものじゃないんですか」
鉄道員の言葉。神隠し…。確かに時間を渡れるポケモンもいる。じゃあ、もしかして。
ガタリ、と椅子から立ち上がる。
「どうしたんですか?」
「僕、ノボリ探してくる!」
「えっ、どうやって?」
「時渡りのできるポケモンにお願いする!急でごめん!みんな、ギアステのこと、任せた!」
狼狽えているだろう鉄道員のことも見もせずに一目散に動き出す。ノボリが僕から離れていくことを選んでいないのなら。まだ生きているとしたら。探せるのなら!
「指差し確認、準備オッケー!目指すはノボリ!出発進行!」
あの頃みたいに二両編成になれるのなら。僕はどこまでも探しに行くよ。待っててノボリ!