胡桃沢桃華の独白。先輩には、きっとたくさんの大切なモノがある。
桃華も、その中のひとつになれてるのかもしれない。
けどね、桃華ね、一番になりたいんだ。
先輩の大切なモノの中でも、一番に。
厚かましいって、言われちゃうかもしれないけどさ…。
だってしょうがないじゃん。好きになっちゃったんだもん。
最初はさ、嫌な人!って思ってたよ。
他の子にはしないのに、桃華には意地悪いっぱいするしさ!
こんな人絶対好きにならないって思ってた。
思ってたのになぁ…。
いつからだろう…。
先輩と不思議なことに巻き込まれるようになって、段々と変わって来たんだよ。
一緒にいる時、先輩は桃華と手を繋いでくれてさ、その手が温かくてさ。
安心するようになったんだよ。
先輩と手を繋ぐことで安心感を得るようになってさ。
「あぁ、この人が好きだなぁ…」って、心にじんわりと広がっていったんだ。
自覚してからはもう大変なんだから!
ずっと隣にいたいし、一番にはなりたいし、先輩に会うたびドギマギするし。
周りに散々付き合ってるなんて噂されて、そのたびに否定してたけど…。
まさか本当に好きになるなんて思わないし、その噂通りになればいいなんて願う日が来るなんて…。
でもね、桃華きっと「好き」って言えない。
だって、先輩にとって桃華はただの後輩にすぎないだろうし。
伝えちゃったら、先輩…桃華から離れていっちゃいそうで…、言えないよ…。
だからね、好きって気持ちも、一番になりたい気持ちも、全部全部…
鍵をかけて、大事に閉まっておくの。心の奥底に。
だからどうか先輩、桃華の気持ちに気付かないでね。