【入れそうで入れない、ちょっと入れる話】~いちぶーすとめ~
🐑「ダメったらダメったらダメです」
👁「いいじゃないですか、ちょっとくらい」
🐑「ダメですって」
👁「んもうつれないですねえ」
🐑「つれたらダメでしょう…」
👁「いいんですよ、素直になって」
🐑「今でもじゅうぶん素直なので」
👁「言うようになりましたね」
🐑「何年あなたといると思ってるんですか」
👁「3年と5ヶ月です」
🐑「めちゃくちゃ覚えてますね」
👁「それは愛しいひとですから」
🐑「はあもう、どこまで本気かわかんない人だな」
👁「ぜーんぶ本気ですが…」
🐑「だとしても」
👁「?」
🐑「その…さきっぽだけ、とか…やめてください」
👁「え、ぜんぶもらっていいんですか?」
🐑「ちがいます!他の男がいるところでそういうこと、言わないで」
👁「…嫉妬ですか?」
🐑「……テメノスさんは可愛らしいので。お守りはしますが、自衛もしてくださいよ」
👁「これはこれは…」
🐑「笑いたければ笑ってください」
👁「笑いませんよ、というか笑えません」
🐑「…わっ!?」
👁「そんなに驚くことないじゃないですか。手を繋いだくらいで」
🐑「いや!成人男性ふたりで手を繋ぐタイミングなんてないでしょう!?」
👁「迷子の子羊を導いているだけですので」
🐑「~~~ちょっとだけですからね」
👁「フフ。さきっぽ、いただいちゃいましたね」
🐑「意味深な言い回しはやめてください!!!」
~にぶーすとめ~
🐑「なんか今日は静かだ…」
🐑「なんでだろう」
🐑「……あっ」
👁「おやおや子羊くん、どうしたんです?そんな熟れたリンゴのような顔をして」
🐑「なんでもないです…!」
👁「そんなにかわいい顔をしていると、アッという間にオオカミに食べられちゃいますよ」
🐑「!!」
👁「ちょっと純粋すぎて心配になりますね」
🐑「かっ、からかわないでください…」
👁「ああでも」
🐑「?」
👁「食べられる側ならいつでも歓迎ですので♡」
🐑「!!ば、ば、馬鹿なこと言わないでください!」
👁「失礼ですねえ。本気ですよ?」
🐑「余計たちが悪い…」
👁「ねえ、今日は私のこと…少し齧ってみませんか?」
🐑「また何か企んでますよね」
👁「ええ。君が私に飽きないように毎日試行錯誤してるんです。健気でしょう」
🐑「はぁ…で、なんなんですか今度は」
👁「光属性魔法、撃ちたくないですか?」
🐑「えっ、撃ちたいです」
👁「それでは練習場に行きましょうね」
🐑「わわっ、わ……!」
👁「フフ、これで上級聖堂騎士も目指せますよ」
🐑「魔法は不得手だったのに…!流石テメノスさん、教えるの上手ですね」
👁「あーあ。子羊くんにいっぱいかじられちゃいましたね」
🐑「すぐそういうことを… うーん、でも今日は気分がいいので見逃します」
👁「おやおや、いつも見逃してほしいですね」
🐑「まだダメです」
👁「…!」
👁(そのいつか、楽しみにしておきますね)
~ふるぶーすと~
🐑「ぜんっぜん懲りてないじゃないですか」
🐑「こんな風に、傷つけたくなかった……」
👁「おおげさですねえ、ちょっと指を切ったぐらいで」
🐑「刃物はだめです、僕が預かります」
👁「日に日に過保護になりますねえ。このままじゃ私、君なしには生きられなくなってしまいますよ」
🐑「……そうなればいい」
👁「え」
🐑「そうなればいいじゃないですか。僕だってあなたの期待に応えたいんです。でも、まだまだ未熟なので。あなたを越えたときに、ちゃんとあなたを貰い受けたい」
👁「……っ、クリック君……」
🐑「……泣かないでください。まだ当分は先の話ですから」
👁「こんなに私のなかに入りこんでおいて…逃げたりしたら許しませんよ……」
🐑「逃げませんよ、神に誓って」
END