彼の家に自分専用のものが増えていき、あれ?となるパターン二人が交際し始めてから3ヶ月。彼の仕事の関係で月1会えて後は通信アプリを通してお互いの近況を知ったり通話で思いを伝える日々。
寂しいけれど特殊な職業だしワーカホリック気味な彼のことだもの。きっと仕事が第一だし私は私で安室さんがいなくなったポアロを頑張って繁盛までは無理でも新メニュー開発してりして新規のお客さまを呼びこまなきゃと張り切る看板娘。
けれど彼の方はといえば恋人とあまり会えない状況に密かに焦れていて。
久しぶりにお家デートで顔を合わせるなり密着して会えなかった分の時間を埋めるようにハグしたりキスをして想いを伝え合う。
夕食を二人で作って食べたあとのんびりリラックスタイム。
「同棲しませんか。勿論中途半端な関係のままではなく婚約関係を結んでから良ければ僕の自宅で」と言われて目を丸くする梓。
「同棲に婚約って……私達まだお付き合いし始めてから3ヶ月ですよ?」
嗜めるように言うが「君不足を解消するにはこの方法が一番だと思って」と並んで座っていたソファーで頬を撫でられぎゅっとハグ。熱っぽい視線で告げられて今日は彼の家から帰れないことを知る。
それからお家デートで彼の家に行った時
「君の新しい歯ブラシの色、何色がいい?」
「うーんとじゃあ、オレンジで」
彼の家に自分専用の歯ブラシが常に置かれていて
「君の枕を買いに行こう。それからルームシューズも」
「え?零さんの枕でいいのに。ルームシューズも何だったら持参してきますよ」と言うのに、いいからいいからと半ば強引にショッピングセンターに連れて行かれて彼が言っていた以上の買い物をして何故か支払いは全部彼がすることになっていて戸惑い小声で抗議する看板娘。
車内で一括は無理でも分割で支払いますから、と言っても、まあまあまあと完全スルーでムと眉を寄せる彼女。
お泊まりデートの予定だったので購入したルームシューズや彼とペアのルームウェアを着て満足気な表情の彼と過ごす。
それからどうしたわけか大尉までお家デートの時に連れてきてと言われてハロと顔合わせをしたりして思ったよりも彼の家に馴染むのが早くてホッとした。
彼と交際してから4ヶ月、彼の家で目覚めて朝から大尉とハロを構い、彼不在のキッチンで朝食を作りポアロが休みだしと洗濯やお風呂掃除や買い物に行ったりして。
夕方になり「ただいま!」「お帰りなさい!」と彼の家でおかえりのハグ&チューをされている時に
あれ?私、もしかして同棲してる?とやっと気付くものもまあいいかとお返しのチューをする看板娘だった。