「サンズからもプレゼント!?ありがとう!」
初めてのプレゼントはマヌケな顔の犬がプリントされた靴下とピンク色の子供用スリッパ。
浮かれた柄の包装紙に巻かれたそれを受け取った小さな手と、喜びに弧を描く口元をよく覚えている。
まだまだ縞模様の服を好んで着ているようなちびっ子で、たまに出るマセた言動が生意気で可愛らしい。フリスクはそんな子どもだった。
「ほい、これやるよ」
ぽんと放るような気軽さで渡したのは、2冊の古本。世界のダジャレ集と、星座についての本だ。
フリスクが少し大きくなった頃だった。地上に出て、学校に通いだし、親善大使として持て囃され、疲れたような顔を見せることが増えていた。
「読む時間あるかな…」
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