きっとずっと、世界に二人きり 兄と喧嘩した。
きっかけはほんの些細なことで、もう何が原因だったかも思い出せない。ただ、それは致命的な喧嘩だった。
原因はどうあれ、その態度や並び立てる論理、小馬鹿にしたような口調全てに腹が立った。産まれてから今に至るまで積もりに積もった鬱憤すべてが、恐ろしい勢いで噴出した。つまりブチ切れた。怒り狂った。気付けば手が出て足も出て、およそ十年ぶりに殴る蹴るの喧嘩をした。お互い本気になって、気付けばボコボコの血みどろ。側に控えていた部下が九井に助けを求めなかったら死人が出ていたかもしれない。
そこで、本気で兄への愛想が尽きてしまった。これまで「この兄を理解して共に歩けるのは自分だけだ」なんて思っていたが、そんな思いとはスッパリ別れを告げることになった。
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