『従者召喚』──レナータ・ヴィシュヌ──
「『忠実なる下僕よ、我が呼びかけに応え、我の剣となり盾となりこの身をを守れ』」
レナータが呼びかけると、すぐに変化があった。広い謁見の間に、白い魔法陣が浮かび上がる。その数は──八つ。
「──な?! レナータ様?!」
ルイスが立ち上がり心配そうにレナータを見上げる中、心配ないと彼に笑いかける。自分の体からどんどん何かが削られていくおぞましい感覚に耐えながら、レナータは呼吸を荒らげた。
──苦しい。
精神力を削りすぎると発狂していまうというのも、分かる気がした。それ程までの苦痛に、思わず歯を食いしばる。冷や汗が額に浮かび、視界も徐々に歪んでくる。しかし目の前の魔法陣から人型の光が浮かび上がるのを見て、ふらつく体に鞭を打ち目を見開いた。
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