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    現パロホラー初夜失敗(鍾タル)(書きかけ)

    急転直下吊り橋ドライブ タルタリヤは所属する大学の非常勤講師である鍾離とお付き合いをしている。もちろん生徒と講師という間柄なので周りには内緒だ。方や「公子」と渾名され歩けば黄色い声援の止まない美青年であるタルタリヤと、男女ひいては老いも若いも虜にしてやまない謎溢れる美丈夫の鍾離が交際をしているとなると、さぞや耽美な蜜月を過ごしているのではないかと思われるかもしれない。しかし実際のところはそうでもない。
     なにせタルタリヤは19歳、未成年である。良識ある大人であればそもそも交際を受け入れるなというのは置いておいて、ギリギリのところで踏み止まっているのか二人の間に肉体的な交渉は未だ成されていなかった。
     20歳になったらセックスをしよう。若い体を持て余すタルタリヤはそんな約束を胸に学業に励んだ。博識多才な鍾離と恋人として並び立つためにも、それはもう頑張った。お陰で学年でもちょっとした有名人だ。家族も鼻が高そうにしていたので結果的には良かったと思う。
     だがその努力の根本が色ボケた理由であるなどと、一体誰に教えられるだろうか……。

     そんなこんなで今日はタルタリヤの20歳の誕生日である。
     昼間は友達や家族から沢山祝われてそこいら中にひっぱり回されが、メインディッシュはこれからだ。日が落ちてからこっそり家を抜け出し、ピカピカに磨き上げた車で待ち合わせの場所に向かう。
    「公子殿、誕生日おめでとう。……家族はよかったのか」
    「うん、これでもかってくらい祝ってもらったからね。なんなら毎年祝ってもらってるし」
    「この車は?」
    「本当はバイト代で賄おうと思ってたんだけど兄貴が譲ってくれてさ。殆ど使ってないからほぼ新品さ」
     某高級マンションのエントランスに目当ての人は居た。鍾離先生だ。大学にいる時とは違って少しラフな雰囲気があるが、それでも身につけている物は全て一級品だから一般家庭の学生にとってはたまったものじゃない。
     助手席のドアを開いて鍾離先生を招き入れる。先生を乗せるには些かグレードが低いかもしれないが、誕生日ということでワガママを言った。これが今のタルタリヤの精一杯である。でもちょっと憧れがあったのだ。恋人を助手席に乗せてデートなんて臭いかもしれないけれど、タルタリヤだって一人の男だ。年上の恋人に可愛がられるのも嬉しいけれど、やっぱりカッコいいところを見せたい。高校を出た時にとりあえず取った免許がこんな所で役に立つとは。
     悔しいことに愛しの恋人はシートベルトを締めるなんてことない動作ひとつとっても完璧だ。嫉妬してしまいそうなくらいカッコいい。先生が運転する姿もきっと同じくらい映えるのだろう。
    「準備はできたぞ」
    「うん、」
     思わず見とれていたらふわりと微笑まれて、顔が熱くなる。ぼんやり運転ではいけない。気を引き締めないと。安全運転、安全運転。ブレーキを解除し、慎重にアクセルを踏む。
     向かう先はラブホテル。
     タルタリヤと鍾離は、今夜一線を越える。
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