PS 貴方は罪な御人です。すぐ美しい方を見つければ声をかけて、口説いて。きっと夜のお相手に困ったことがないというその噂さえも、貴方のことですから本当なのでしょう。嗚呼。この手紙は、そんな貴方に贈るものです。切手もつけない、送るつもりのない手紙。これ以上、自分の気持ちに蓋ができなくなってしまった、愚かな私の手紙です。
ええ、本音を言えば、貴方のその美しい青い瞳に私だけが映っていたい。嗚呼、貴方のことを独り占めできたらどんなにいいでしょう。
嗚呼、生き方もそのテンポでさえも、まるで何もかも違う貴方と私。貴方の見ているその景色が見たくて合わせたそのテンポは、いつになく心地よかったのです。
でも私は知っているのです。貴方の心は決して私を向いてはいないということを。
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