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    lili___ne

    幻覚!!!!

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    lili___ne

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    鍾タル
    以前ツイートしてたものなので伏字のまま

    テイワットのあれやこれが終わって、タルタリヤは力を使い果たして幼児の姿となったしょ〜りと暮らしていた。世界は随分と変わって、だいぶ平和になった。しかし、姿と同じく精神まで退行したしょ〜りの世話は弟妹達より大変だ。なんといってもしょ〜りの機嫌を損ねるとりゆぇは嵐に見舞われるのだ。
    しかも、タルタリヤはりゆぇに来てからの記憶がごっそり抜けている。りゆぇに来たばかりでしょ〜り先生とは一度しか会っていないのに元岩神だとか子供の姿になったから世話をしろだとか。もう限界だった。いくら親愛なる女皇様の命とはいえ、もっと己を磨きたいし、強敵とも戦いたい。
    今日も今日とて味付けが気に食わないだとかしょうもない理由でりゆぇに災害を齎したしょ〜り先生をなんとか寝かしつけてりゆぇ郊外へ駆けていく。
    久しぶりに全身を忙しなく動かしているからだろうか、りゆぇ港を出てから少し頭痛がする。随分と運動不足だ。
    いくら世界が平和になろうとも都心から少し外れればホートー団なりヴィシャップなりいるだろう。最早、強さは二の次でとにかく身体を動かして暴れたい、このままでは鈍になる、その一心だった。
    そこにちょうどよく通りかかった葱を背負った鴨こと、ホートー団で遊んでいると、まぁまぁ数が多かったらしい。夢中になっているうちに時間の経過を暗雲で知る。これだけ時間が経てば、今度は寝起きにいなかったとかいう理由でりゆぇが荒れそうだ。その証拠に黒い雲は癇癪を起こしたように涙を溢し始める。地面がぬかるんで動きにくく、思わず足を取られて膝をついた。立ち上がろうにも膝が、腕が、全身が、まるで固められたように動かない。視界はぐにゃりと歪んで、ただただ地面に伏すしかない。ぼやついた視界の中、小さな何かが視界に入る。
    「後輩、見つけた」






    エネルギーが補充されてスイッチが入るようにぱちり、と目を覚ます。見覚えがない天井だ。
    「こおし…!」
    うるうると涙ぐむ小さな先生が身体の上に乗っている。子供はよく泣いた。りゆぇの空もよく泣く。
    「男の子だろ、先生。すぐ泣かない…」
    思っていたより掠れた声だ。少し泣いたぐらいなら小雨で済むだろうか。りゆぇがどうなろうとタルタリヤは興味がないが、あまりにも酷いと流通にも影響して日常生活に必要な買い物が面倒だ。
    「後輩、起きた」
    ノートを手にした少女が寝台の隣に立つ。倒れた時に見たのは彼女だろうか。後輩、とは。
    「ナナちゃん、だっけ」
    「うん、ナナはナナ。あなたのこと、頼まれた。だから、先輩」
    小さな指が絶賛鼻水をタルタリヤのシャツで拭っているしょ~りを指す。
    「大きな彼に頼まれた。あなた、死んでキョンシーになった。でもナナと違ってキョンシーになる時の力足りなかった。不完全」
    「は?」
    死?キョンシー?
    「術者とあまり離れられない。離れたら力が足りなくて動けない。だからナナが迎えに行った」
    先輩だから、とナナがノートを開いて言う。その頭をいつの間に入ってきたのか白朮が撫でた。
    「ナナはあなたのことをきちんとノートに書いているのですよ。先輩、ですからね」
    「あなたに会ったら言うこと、たくさん書いてある。柔軟体操することとかいろいろ」
    この身が死体だというなら硬直したように動かなかったのにも納得はいく。死んだという実感は全く湧かないが。
    タルタリヤは己の上でめそめそと泣いているしょ~りをぼんやりと眺めた。力を使い果たして自分の姿を保つことすら最小限の状態で、相手に力を供給し続ける。不完全であることの証左なのか、一度会っただけ、という記憶しか持たないタルタリヤにはしょ~りの行動原理が分からない。
    「ああ、そうだ。命令には気をつけてくださいね。ナナと違って術者のいるあなたは不本意な命令に逆らえません。子供とは無垢なるもの、ですから」
    含みのあるビャクジュツの笑みにぞわりと嫌なものが背筋を駆ける。
    「めいれい?」
    むくりと顔を上げた子供の瞳がきらきらと光った。いくら子供と言えど、元はあのしょ~り先生だ。感情の制御はできないが、頭の回転は恐ろしく早い。
    「こおしどの、こおしどの。なでてくれ」
    身体が勝手に動くことの気持ち悪さといったら。意思を持って命令として形を成したものに抗う術はなかった。ゆったりとまあるい頭を撫でられて、子供は満足そうに瞳を閉じる。
    生き返ってよかったのか、悪かったのか。突然のことに思考が定まらない。己の死因すら知らないのだ。
    目下の悩みはこの暴れたいという欲求を解消するため、離れないように背負ったとしてしょ~りが遊具のように喜んでくれるか、大泣きするかだ。それ次第でりゆぇの命運が分かれるのだろう。







    その後、子供あるある(?)の結婚して!という命令を下されるタルタリヤがいるとかいないとか。


    おわり!
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