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    apollo07222

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    apollo07222

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    明確に🐺🦇です。
    事後っぽいな。
    #MZMart_B
    #MZMart_R

    #MZMart_B
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    幸福論 たとえ遮光カーテンで締め切っていたとしても、雨雲が朝日を遮っていても、朝日を感じて目が覚めてしまうのは、もともと太陽光に怯える吸血鬼の本能なのかと勝手に思ってる。根拠はないけど。今日は太陽光の気配じゃなくて雨の音で起きたと思う。静かに雨が降る音が遮光カーテンで締め切られた窓の外から聞こえてきていた。
     天敵の日光を遮って完全な安眠を約束してくれる棺桶に比べると、アンジョーと眠るベッドは広くて、寝返りも打てて、スプリングがよく効いていて暖かくて、そして俺をガッチリ抱き締めてアンジョーが寝ているというめちゃめちゃ幸せでデカすぎるリワードがある。寝起きは見えもしない朝日を感じて起きるけど。
     目の前には俺の体を両腕で抱き寄せて未だに深く眠るアンジョーの首筋と鎖骨から肩までが無防備にも露わになっていた。というかほぼ裸だ。お互いにパンツだけ履いて寝たことは覚えてる。昨日夜から今日未明まで相応に求めあった過程で、前後不覚になって縋りついた筋張った首筋に甘ったるく齧り付いたり、爪で引っ掻いたりした痕が薄暗い室内でもしっかり見えてなんだか無性に恥ずかしい。
     俺しか付けることがない鬱血の痕が馬鹿みたいにたくさん付いていて、俺ってキスマーク付けるのそんなに大好きだったかなぁ等と考えを巡らせた。でもこの痕を付けたのが俺なのは確かなのに、昨日のいつ付けたのかわからない鬱血の痕になんだか無性にムカついてきた。
     アンジョーとのセックスは気持ちいい。元々セックス自体好きだし、女の子とワンナイトすることもよくあった。アンジョーと交際するようになって初めて受け入れる側になったけど全然勝手が違う。諸々の準備は必須だし、セックスしてる最中は全身揺さぶられる感覚で頭がクラクラして何も考えられんくなるし、酔いが回ったときみたいに心臓は速く鼓動するし、何よりアンジョーの大きな体に抱きしめられて、俺よりも高い体温を肌で感じると酷く安心する。
     こういうのを幸せっていうんだよなと思いつつ未だに寝息を立てているアンジョーに起きてほしくて彼の整った鼻を指で摘んでみたが、眉間にシワが寄るだけで彼はまだ起きそうにもない。それならばと、なかなか起きない狼男の無防備な鬱血痕に唇を寄せて上書きするように強く吸った。だって俺が付けたとはいえそれを付けたことを覚えてないので、なんか知らない奴とアンジョーがヤッたみたいでむかつく。音を立てて唇を離すとさっきよりもずっと濃くて何なら歯型もおまけして痕が付いたのでちょっと満足した。

     ギリギリ手の届く範囲で布団の外をまさぐるとスマホの充電コードに触れたので手元まで手繰り寄せてみる。ズルズルと引っ張り寄せると二分の一に勝って俺のスマホだった。時刻は八時半。早いのか遅いのか絶妙に判断しにくい時間帯。
     仕事のことを考えると昼夜逆転する事もぼちぼちあるし、クリエイターの大半は生活リズムが終わっているので基準がわからない。まあさっきも述べたが棺桶で寝てないと朝日の気配で起きてしまうので日中に起きている珍しい吸血鬼なのは間違い無いかもしれない。
     天気のニュースを確認するが今日から天候は悪くなるらしい。今日なんかは終日雨だ。すわ梅雨入りか?気分は若干憂鬱だ、俺は吸血鬼で太陽光には本能的に怯えるくせに陽の光が好きだから。
     頭も冴えてきたので、このままアンジョーの腕の中にいるのも最高に贅沢だけどこいつが起きる前に朝の準備を終わらせたい。
     温かいアンジョーの腕の中から抜け出すのはなかなかハードルが高いけど、長い腕をどけて少しだけ肌寒いベッドの外に出る。今まで抱きしめていた俺を探すようにアンジョーの腕が動くので、枕を代わりに抱かせておくことにした。全然目は覚めてないが若干納得していない面持ちのまま身代わりの枕を抱き込んで顔を埋めるアンジョーの姿に、なんだコイツ本当に可愛いやつだなと思いながらベッドから立ち上がった。

    「だる…」
     口から出た声は掠れ声で腰は重いし、少しばかり膝が笑っている。言葉の通り全身がだるいのだ。毎度毎度こうなってるので本当にスポーツだなとか思いつつ足元に脱ぎ散らかされた自分とアンジョーの部屋着を見て、乱雑すぎるなとか、お互いに服をひん剥きあったらこうなるか、なんて思いつつ部屋着を拾った。
     とりあえずだるさを取るために朝風呂。そんで洗濯機回したい。雨が降ろうが晴れようが乾燥機付きの洗濯機は関係ない、最高。朝飯はその後でも全然間に合う。



    ♦♦♦
     腕の中に抱いて寝ていた恋人が朝いなくなっていることに気づいて起きるって肝が冷えるよね。って誰かに共感してもらいたい。真剣に。
     朝、腕の中にいたはずのコーサカが彼の匂いがする枕にすり替わっていることに気づいて起きた。俺は狼男なので鼻も良ければ耳もいい。寝起きの耳は今さっきシャワーが止んで扉が開閉する音を拾ったのでだいたい三十分ほど前に起きて、俺の腕から抜け出して、身代わりの枕を抱かせて、シャワー浴びに行ったのか。ふ〜〜〜ん…せっかくなら強引でも良いから起こしてくれればよかったのに。
     起きたそばからふて寝の姿勢である。朝起きたら抱きしめてた恋人がいないなんてもうご機嫌斜めまっしぐらでしかない。
     コーサカの差し向けた枕をとりあえずベッドから放り出す。半ば枕に八つ当たり。コーサカが見たら「何してんだよジョーさん。さっさと起きてこいよ」とか言ってくれそうだけど今彼は足音的にリビングよりも奥に歩いていったので多分ダイニングキッチンで朝食の準備をしてくれているんだろう。
     しばらくは戻って来ないのを悟ったので頭が起きてくるまでゴロゴロすることにした。だって隣にコーサカいないし。手に引っかかったスマホの充電コードを手繰り寄せて寝てる間に溜まった通知を確認する。時間は九時少し過ぎ、目を通す必要があるメールとか完了報告が必要なタスクは一旦ほったらかしてSNSとか流し見する。
     世間はもう桜も散って気温も高くてもう梅雨じゃんみたいな雰囲気になっている。梅雨のジメジメした季節に差し掛かろうというこの時期、丁度重なってやってくる換毛期を思うととても気が重い。狼になったときの地毛がクリクリしているので梅雨の時期になるとブラッシングしてもブラッシングしても全然毛並みが良くならない、部屋の掃除も手間が増える。でも換毛期でモッサモッサ毛が抜けるのをコーサカが面白がって俺のブラッシングに激ハマりして狼の姿専用にブラシを選んでくれたり、時間を作ってかまってくれるので案外、いや?かなり幸せな季節では、換毛期と梅雨のダブル。気圧で頭が爆発しそうにはなるけども。
     彼のことを考えるだけで機嫌が良くなったのでやっぱり俺の思考回路はすごく簡単な作りになっていると思う。
     スマホで今日の天気を確認すると終日この調子の雨らしい。今日一日在宅作業の日で本当に良かった。やっぱり雨の日よりは晴れている方が良い。
     
     ベッドでうだうだしているのも飽きてきたし頭もやっと起きてきたので、コーサカの後を追いかけることにした。とりあえず風呂に入りたい。昨日彼の体を拭くついでに自分も拭いたけどしっかり汗を流したいし、起きてからコーサカとイチャイチャしてない不完全燃焼な気分のまま彼の用意した朝食を食べに行けないし、俺は年頃で健全な狼男なのでどこでも盛る駄犬になりたくないのである。
     さっきベッドから放りだした枕を元の位置に戻して、昨日脱ぎ散らかした部屋着を見るけどコーサカの部屋着だけない。いつ回したのか洗濯機の音もするし、じゃぶじゃぶ洗われてる最中だろうな。
     取り合えず風呂に行こう。そして早くコーサカの顔を見たい。



    ♦♦♦
     風呂から出て新しい部屋着を着て、洗濯機を回してさあ朝飯だとダイニングの炊飯器を開けたら炊飯のスイッチが押されてなかったときの絶望ったらねえよな。昨日研いだ米が昨日と同じ姿で其処にいたわけだ。なんでタイマー掛けてないかって、クリエイターは生活サイクルが終わってるから炊飯するときは都度スイッチを押しているのだ。昔米を炊いたのに食いっぱぐれた挙げ句に存在を忘れてしまってカッピカピのカラッカラにしてしまい、岩みたいに固くて泣く泣く全部捨てたことがある。そんなことは二度としたくないのでタイマーは掛けないようにしている。
     でも昨日は炊飯ボタンを押し忘れた。原因はさっき風呂にあくびしながらノロノロ歩いていった狼男にこのキッチンで翌朝の準備している最中に攫われて寝室に連れてかれたからだ、俺もノリノリだったけど。あの野郎ォ。
     朝は白米だろぉとファッションでキレつつ食パンを焼いてベーコンと目玉焼き乗っけてラ◯ュタパンでも作るかとフライパンにベーコン広げて卵を落とす。これは卵かけご飯にする予定だったやつだ。オーブントースターに食パン二切れ入れていい感じにカリカリになるのを待ちつつ卵の火加減を見ていると背後から気配がして起き抜けぶりに見た腕が俺のお腹に回ってきて、俺の左肩に顎を乗せてそのまま少し体重を掛けてきた寝坊助狼は、おはようも言わずに頬ずりしてきた。上は何も着てないし髪の毛がまだまだ濡れていて冷たい。こいつタオルドライしかしてねえな。
    「おはよう寝坊助。」
    「…起こしてよ。」
    「んな不貞腐れた声出すなよ〜一応起こそうとしたけど鼻つまんでも俺が身じろぎしてもちょっかいかけても起きなかったんだし。それよか火使ってっから危ない。」
    「君朝いなかったんだからもう少しくっついててもいいでしょ。」
     なにそれ、本当に可愛いやつだな。でも火はマジで危ないのでとりあえずこの甘ったれを引っ剥がす必要があるわけだ。「アンジョー」と名前を呼んで彼の右頬に唇を押し付けた。親が子供にしてやるようなシンプルな愛情表現。ぽかんとした甘ったれなひっつき虫に、良いから髪乾かしてこいと洗面所に追いやる。
     いい感じにベーコンも卵も食パンも用意できたので二枚の皿に葉野菜と一緒に盛り付けて牛乳とラ◯ュタパンをテーブルに配膳してる頃にバタバタとアンジョーが戻ってきた。
    「コ、コーサカ!これ!」
     鏡を見て気づいたんだろう。自分に付いたひときわ色が濃い歯型付きの鬱血痕を指さして口をパクパクしている顔が面白くて俺も吹き出す。
    「俺君が素面でキスマーク付けてくれてたときに爆睡してたってこと?!こんな可愛い事してる君みすみす見逃してたってことじゃん!起きてるときにしてよ!」
     真剣に面白いこと言ってくるアンジョーに俺はまた爆笑した。ほんとこいつ俺のこと大好きなんだな。愛おしいよ。
    「ちょっかいかけたって言ったじゃん〜良いから上着てこいよ。朝飯食おうぜ、ラ◯ュタパン作ったから。」

     もぉ〜っと言いながら上を着るために洗面所に引っ込んでいったアンジョーをケラケラ笑いながら待つ。
     ダイニングの窓から見える外は終日雨で梅雨の気配が色濃いけれど憂鬱とかこいつといれば無縁なのだろう。


     
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    apollo07222

    DONE明確に🐺🦇です。
    事後っぽいな。
    #MZMart_B
    #MZMart_R
    幸福論 たとえ遮光カーテンで締め切っていたとしても、雨雲が朝日を遮っていても、朝日を感じて目が覚めてしまうのは、もともと太陽光に怯える吸血鬼の本能なのかと勝手に思ってる。根拠はないけど。今日は太陽光の気配じゃなくて雨の音で起きたと思う。静かに雨が降る音が遮光カーテンで締め切られた窓の外から聞こえてきていた。
     天敵の日光を遮って完全な安眠を約束してくれる棺桶に比べると、アンジョーと眠るベッドは広くて、寝返りも打てて、スプリングがよく効いていて暖かくて、そして俺をガッチリ抱き締めてアンジョーが寝ているというめちゃめちゃ幸せでデカすぎるリワードがある。寝起きは見えもしない朝日を感じて起きるけど。
     目の前には俺の体を両腕で抱き寄せて未だに深く眠るアンジョーの首筋と鎖骨から肩までが無防備にも露わになっていた。というかほぼ裸だ。お互いにパンツだけ履いて寝たことは覚えてる。昨日夜から今日未明まで相応に求めあった過程で、前後不覚になって縋りついた筋張った首筋に甘ったるく齧り付いたり、爪で引っ掻いたりした痕が薄暗い室内でもしっかり見えてなんだか無性に恥ずかしい。
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    DONE明確に🐺🦇です。
    事後っぽいな。
    #MZMart_B
    #MZMart_R
    幸福論 たとえ遮光カーテンで締め切っていたとしても、雨雲が朝日を遮っていても、朝日を感じて目が覚めてしまうのは、もともと太陽光に怯える吸血鬼の本能なのかと勝手に思ってる。根拠はないけど。今日は太陽光の気配じゃなくて雨の音で起きたと思う。静かに雨が降る音が遮光カーテンで締め切られた窓の外から聞こえてきていた。
     天敵の日光を遮って完全な安眠を約束してくれる棺桶に比べると、アンジョーと眠るベッドは広くて、寝返りも打てて、スプリングがよく効いていて暖かくて、そして俺をガッチリ抱き締めてアンジョーが寝ているというめちゃめちゃ幸せでデカすぎるリワードがある。寝起きは見えもしない朝日を感じて起きるけど。
     目の前には俺の体を両腕で抱き寄せて未だに深く眠るアンジョーの首筋と鎖骨から肩までが無防備にも露わになっていた。というかほぼ裸だ。お互いにパンツだけ履いて寝たことは覚えてる。昨日夜から今日未明まで相応に求めあった過程で、前後不覚になって縋りついた筋張った首筋に甘ったるく齧り付いたり、爪で引っ掻いたりした痕が薄暗い室内でもしっかり見えてなんだか無性に恥ずかしい。
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