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    unirou_reinou

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    unirou_reinou

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    限りなくBに近いBです
    左右なんてものはない

    #MZMart_B

    大好きな匂い 今日はコーサカは夜遅くまで外出で、おれは家に一人。
    まあ、普段お互いの作業があるからずっと一緒と言うわけではないけれど、そんな今日に限って寂しい。

     家の中は何も変わらない。プールの水の匂い、洗剤の匂い、温かなお日様の匂い。テーブルの置かれたコーヒーの匂いと、コーサカが飲み干した血の匂い。

    そして、大好きなコーサカの匂い。
     置いていったパーカーをそっと抱きしめる。
    寂しい気持ちは、少しずつ満たされる。
    秋だけれど今日は日差しが温かいのもあり、ベッドは暖かいし、大好きな匂いに包まれているから心地良い。
     甘くて、温かくて、少しだけ血の匂いがスパイスになっていて、コーサカが腕の中にいるみたいに錯覚してしまう。
     おれは鼻がいいから。これでも狼男だし。
    家に一人だから尻尾も振り放題だ。でも、少し眠たいな。

    ──何があったかは知らないけれど、帰ってきたら相方が狼の耳を垂らし、尻尾を下向きにくねらせて、俺のパーカーを抱きしめながら甘噛みをして……眠っている。
    幸せそうな顔をしながら、すーすーと野生じゃ生きていけないであろうくらいリラックスしている……。
     帰った、と伝えて起こすべきか?
    少し悩んだが、リビングには、恐らくコーヒーを飲み干したマグカップが一つあるだけで、キッチンを覗いても昼に食器を水に浸けたきり変わっていない。
    食材も減っていないし、出前を取った痕跡もない。
    「あいつ……夕食も食わずに寝てたな……」
     推測するに、昼寝をして結局この時間まで寝ており今に至る、といったところだろうが……なんでアンジョーは俺のパーカーを抱きしめているんだ……?

     流石に夜も遅いし、夕食を食わせないのも、俺だけ食って放置というのは気が引ける。起こそう。
    「ジョーさん、ジョーさん起きて」
    「んー……こぉーさかぁ……」
     幸せそうな寝言に腹が立つ、というか自分でも情けないことに、自分のパーカーに嫉妬している。
    クソダセェ……。
    「ジョーさん起きて、もう夜だよ。俺も帰ってきたよ」
    「んぅ……」
     無理矢理パーカーを引き剥がせば流石に起きるか?
    「本物よりそっちがいいのかよ」
     思わず溢れた一言に自分で恥ずかしくなる。
    何言ってんだ俺は。
    その瞬間、アンジョーの耳はピクンと跳ね、ゆっくりと瞼を開き、へにゃりとした笑顔を向けて、
    「本物のこーさかが一番だよ」
    なんて寝惚けて吐かすもんだから、思わず「うるせぇ、起きろ」と返してしまった。
    「へへ、大好きだよ」
     可愛いのが悔しい。へにゃへにゃした笑顔向けやがって。
    耳と尻尾を隠すことも忘れて。伝説のウェアウルフと名高い種族の成人男性が何をやっているんだ。
    「ホント、お前野生じゃ生きていけないよな」
    と、デコピンをしたら流石に目を覚ました様だった。
    「いたっ。あ、コーサカおかえり」
    「ただいま。飯作るから起きな」
    「あ、ありがとう」
     少しキョトンとしているのは、まだ完全には起きてないからなのだろうが……。
    「あと、パーカー返せ」
    「あっ、や、これはー……。あはは、ごめんね」
     誤魔化そうとしたのだろうが、自身がパーカーを抱きしめていた現場を持ち主に見られては、言い訳も浮かばない様だった。
    「抱きしめるんなら、本物にしとけよ」
    「……そういうこと言う」
     バツが悪そうに目を逸らして耳を垂らした。
    お前は幾つだよ、と問い詰めたいが、こいつは自分の年齢を覚えていないので意味がない。
    「ほら、耳と尻尾しまえよ」
    「はーい。……コーサカ」
    「何?」
    「やっぱり、コーサカの匂いが一番安心する」
    「そりゃ、同じ家に住んでますからね。安心もするでしょ」
    「えっと、そうじゃなくて……」
    「『大好き』だから?」
    「あぅ……」
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    apollo07222

    DONE明確に🐺🦇です。
    事後っぽいな。
    #MZMart_B
    #MZMart_R
    幸福論 たとえ遮光カーテンで締め切っていたとしても、雨雲が朝日を遮っていても、朝日を感じて目が覚めてしまうのは、もともと太陽光に怯える吸血鬼の本能なのかと勝手に思ってる。根拠はないけど。今日は太陽光の気配じゃなくて雨の音で起きたと思う。静かに雨が降る音が遮光カーテンで締め切られた窓の外から聞こえてきていた。
     天敵の日光を遮って完全な安眠を約束してくれる棺桶に比べると、アンジョーと眠るベッドは広くて、寝返りも打てて、スプリングがよく効いていて暖かくて、そして俺をガッチリ抱き締めてアンジョーが寝ているというめちゃめちゃ幸せでデカすぎるリワードがある。寝起きは見えもしない朝日を感じて起きるけど。
     目の前には俺の体を両腕で抱き寄せて未だに深く眠るアンジョーの首筋と鎖骨から肩までが無防備にも露わになっていた。というかほぼ裸だ。お互いにパンツだけ履いて寝たことは覚えてる。昨日夜から今日未明まで相応に求めあった過程で、前後不覚になって縋りついた筋張った首筋に甘ったるく齧り付いたり、爪で引っ掻いたりした痕が薄暗い室内でもしっかり見えてなんだか無性に恥ずかしい。
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