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    soseki1_1

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    疲れて帰って来て無意識に淫魔🔮の部屋に向かった大佐🤕と、帰ってきたら自室に大佐🤕がいて大喜びの淫魔🔮(傭占/R-15)

    ここ一週間、ナワーブと共寝をしていたためにあまり訪れていなかったからだろう。目の前にした自室の扉からは何処となく懐かしさを感じられる。その扉の向こうから、煙の香りが濃く感じられる。イライは夢見心地の気分でドアノブを握った。
    「……っ♡♡ぁ………♡♡」
    開いた傍から香りが立ち込める。鼻腔だけでなく肌にすら触れていく感覚、感じ得る匂いに、イライの腰が重く痺れていく。元より漂っていた花の香りにムスクと煙が混ざり合った様。それはさも、彼の腕に強く抱きしめられている時のような有り様だ。腹の奥をじん…っ♡と熱くさせながら、イライはゆっくりと瞼を下ろし、もう一度擡げる。そうして見えた光景に、青い眼差しがいっそうの熱を帯びた。
    「…っ♡な…ぁ、わ…ぶ……♡♡」
    扉を開け切った先、ほぼ真ん中に置かれたシングルベッドの上に彼はいた。
    帰宅した足でここに来たのだろう、ベットに仰臥位で横たわるその足にはブーツが纏われたままだ。頸で結わえた赤褐色の髪を解くことさえ忘れ、色の悪い薄い瞼を閉じ切っている。
    もう帰ってきていたのか。何故ここにいるのか。思考の隅で囁くそんな疑問は、けれど衝動の前では実に無力なものだ。縺れ掛ける足を引きずり、イライはベッドへと歩みを進める。耐え難そうな足取りでベッドの縁まで辿り着いたというのに、実にそろりとした様子で寝台に乗り上げれば、白いシーツに両手を沈ませてナワーブの顔を覗き込む。存外長い睫毛が下瞼に影を落としている様、微かに聞こえる寝息。それらを前にして、イライは堪らない気持ちになった。そしてその心地のまま、倒れ込むように…それにしては随分そうっとした様子で、ナワーブの体躯に抱擁した。
    「……〜っ♡なわーぶ…、なわぁぶ……♡」
    鼻先を首筋に埋めて、深く息をする。シャワーにも入っていないのだろう。草臥れた衣服と、滲んだ汗、普段つけている香水に煙の香り、それらが全て合わさった匂いが鼻腔を満たして、イライは堪らず喉を締めた。くぅ…♡と甘えた音を零しながら、さも飼い主に甘える猫のように胸元へと額や頬を擦り寄せる。これまでに感じ得ていた寂しさを隠しもしない様子だ。感情や本能を抑えられないまま、胸元に縋るようにして抱擁をする。
    「……、ん……♡」
    首元に耳を沿わせれば、暫し匂いに満たされた後、脈打つ音が耳たぶを撫で始める。心臓の鼓動と同じように聞こえる血流の音に、イライの胸裏は安堵で満ち満ちた。瞼を閉じ、深く息をして、その音に聞き入る。彼が生きている音だ。
    「…ん…ぅ……♡」
    あまりの心地よさに、イライはそのまま意識を落とそうとした。愛する人の匂いと鼓動に五感を囚われたまま夢見心地に眠りに着こうとしていた。しかしその最中、熱く甘い芳香を感じ取ったのは、淫魔としての本能と言わざるを得ないだろうか。
    「……、っ♡♡ぁ……ぁ…ッ♡♡」
    鼻先に酷く甘い香りが触れた気がして、瞼を上げた。今にも暗がりに戻りたがるぼんやりとした眼差しを彷徨かせて…すぐに、青い瞳が丸みを帯びる。色味が増し、熱を孕み、どろりとした欲望のまま蕩けていくのに、数秒も要さなかった。
    イライが視線を注ぐその先。眼差しの向こうには、スラックスの布地をくっきりと押し上げる股座の有り様が在った。
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    PROGRESS大佐🤕と喧嘩して家出した🔮を匿う副官🧲2
    /現パロ大占傭占
    「ああ、いるよ」
     携帯電話から届く声が誰なのかは判別がつかない。ただキャンベルさんの口ぶりと目線で彼だと解った。彼は眇めたような流し目で僕を見た。
    「僕の家に居る」
     裏切られたと思った。立ち尽くした足が後ろにたたらを踏んで、この家から逃げようとする。だけど裏切られたという衝撃が体の動きを固くしていた。そのうちに、彼は言った。
    「なんで? あげないよ。送り届けてなんてやらない」
     踵を返して走り出そうとした足が止まる。息を止めたままキャンベルさんを見ると、彼はもう僕の方を見てはいなかった。ただ、唇を歪めて厭に微笑んでいた。
    「飽きたんだろ?貰ってあげるよ。常々美味しいんだって聞いてたし」
     怒鳴られてる。とは、漏れ出る音で解った。そういう空気の振動があった。それに構うことなく、キャンベルさんは鬱陶しそうに電話を耳から離すと、液晶に指を滑らせて電話を切った。四方形のそれをソファに投げて息を吐く。僕の、何とも言い難い視線に気付いたのだろう。彼はもう一度目線だけで僕を見た。それが問い掛けの代わりの視線だと解ったから、逃げ出すより前に口を開いた。
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    PROGRESS求愛してる白鷹とそれに気づかない夜行梟/鷹梟/傭占
     そもそもの始まりは食事からだった。と、夜行梟は呟き始める。狩りのやり方を教えた頃から、やたらと獲物を取ってきたがると思っていたのだ。覚えたての狩りが楽しいのだろうと微笑ましく思えていたのは一、二年ほどで、そのうちどこからか料理を覚えて振舞うようになった。あれはそういうことだったのだ。給餌だ。求愛行動のひとつだったという訳だ。夜行梟はその真意に全く気付かず、私の料理美味しくなかったかな、悪いことしたな、なんてひとり反省していた。
     夜行梟の誕生日に三段の素晴らしいケーキが出された辺りから、つまりは今年のハロウィーンを終えた辺りから、いとし子は本領を発揮し始めた。まず、夜行梟の寝台に潜り込んだ。今思えばこのときに気付いてもよかった。よかったのに、夜行梟は布団の隙間を縫うように身を潜らせたいとし子に「怖い夢をみたのかい?」なんて昔と同じように声を掛けた。もうとっくに子供じゃなくなっていた白鷹は、このときは未だ我慢していた。「そんなものだ」とだけ言って隣に潜り込み、足を絡ませて寝た。今思い返すと完全に求愛だった。鷹族の習性だ。鳥型の鷹は空中で足を絡め合い、互いの愛情を深めるのだ。鷹族の遠い親戚からきちんと聞き及んだ話だった。のに、思い当たらなかった。まだ甘えん坊さんだな、なんて嬉しく思っていた。
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