【原作軸】ビブルカード前編ドフィにいざという時の為オマエも作れと言われて作ってそのままだったビブルカード。
誰にも渡すことなく綺麗な白い紙は左胸のポケットにたたまれている。生きている限り巡りあわせてくれる紙。ロー許してくれ、俺はこれから守れない約束をするよ。
「隣町で落ち合おう」
俺のビブルカードを渡せばローの安心材料のひとつになるだろう。今が役に立つ時ではないのか?ポケットに手を入れて触れた紙の感触、こちらを見るローの瞳の琥珀が不安に揺れている。
ビブルカード、生きている限り巡りあわせてくれる紙。そう、生きている限り、だ。
これからドフィを始めドンキホーテ海賊団の幹部たちがここに押し寄せるだろう。
生きて合流など出来る確率はほぼない。
今渡せば確かに希望を与えることが出来るかもしれない。
しかし目の前で消えるビブルカードはローに更なる絶望を与えるだろう。
指に触れたビブルカードをポケットの奥へと押し込む。その代わり笑顔で別れよう、思い出して貰える時はやっぱり笑顔がいい。そしてとびっきりの愛の言葉。
「…ロー、愛してるぜ。」
本当に愛してるんだ。
また会いたいと本当に願ってる。俺だって隣町でオマエに逢いたい。
俺の言葉に嬉しそうに笑うローの表情をみて込み上げてきた気持ちに蓋をするように宝箱を閉じた。
たった1人の愛しい子を守ってくれるように祈りを込めて。
(ビブルカードって簡単に作れるっぽいのでビブルカードをローに渡していたらコラさんと合流出来たなとか、燃え尽きたら絶望しちゃうなとか、でもこらさん生きてると思った結果のこれ)