【原作軸】ビブルカード後編なんだかんだ再会したこらろはごめんなさい合戦をすると思う妄想。
「なぁ、コラさん。あの日のことが悪かったと思ってくれるなら俺にコラさんのビブルカードをくれ…」
「…え、」
ドームの中、2人きり世界から切り離されたような空間で、2人の呼吸だけ響いている。胸に顔を埋めてひとしきり泣いた後、落ち着いたのかポツリとローが言葉を零す。抱きしめた腕の力を緩めるとこちらを見上げる顔、揺れる瞳から溢れ落ちた雫が頬を辿る。ズビッと鼻を啜る、赤くなった目元が痛々しい。
「でんでん虫の番号を教えてくれって言ったってあんたは困ってしまうだろ?」
「…ッ、ロー」
「あんたが海軍なのは分かっているし、仕事の邪魔をしないから」
「ただ…、あんたが生きているのが分かればいいんだ…」
(俺はこんなにもこいつを追い詰めていたのか…)
簡単に振り解けてしまいそうなくらいの弱さで縋り付くローの手に掌を重ねる。
「俺もオマエに持っていて欲しい。」
「もっと我儘になってもいいんだ」
「番号だって一般人に教えていい番号がある。」
「だって、俺は海賊で、コラさんは海軍だから….ッ」
一般人とはちげぇと更に顔を歪めてしまう。
ポロポロ落ちる雫はぬぐってもぬぐっても止まることはない。
「そんなに泣いたら目が零れっちまうだろ。」
「もっと我儘を言っていいんだ。」
「そんなの我儘じゃないから、もっと言っていいんだ。」
胸にしまい込んでいたビブルカードを取り出す。あの日渡したかったビブルカード。
入れっぱなしにしていたせいで少し草臥れてはしまったが10年以上仕舞っていたことを考えると綺麗なもんで、つくづく不思議な紙だ。
「この紙はおまえに渡そうと思っていた。」
「会いたかったらいつ来てもいい。」
「俺だっておまえに会いたいよ、ロー。」
ビブルカードの端にでんでん虫の私用の番号を書いて手渡す。
ポロッとまた雫が溢れる。
「お前のモンだよ、この紙も俺のモンはみんな」
「…返せって言っても…もう返さないからな。」
みたいなこらろが読みたいです。
(そのうち心臓も寄越せとか言い出しそうである)