エロビバノンノ★前夜私はよく夢を見た
私の側には亀くんとよく似たアルマジロがいた。
お父様もお母様も、御真祖様も、私のよく知る彼らのようで、何処か違っている気がした。
そんな夢で、私は真っ赤な衣装を纏った青年と共にいた。
煌めく銀の髪に、誘う様な碧眼。
完成された肉体美で生きた彫刻様な姿とは裏腹に、性格は粗暴で、喧しく、馬鹿みたいに素直で。
彼との生活はひどく眩しく、賑やかで、心躍るものだった。
それは、それは非常に美しく、愛しいーーー
ーーー悪夢だ。
不愉快だった。
私ではない私の人生は、まるで私を追い立てる様に脳裏に焼き付いた。
いつか私は「彼との記憶」に飲み込まれそうだと思った。嫌で嫌で仕方がない。
夢の私=私かもしれないが、私≠夢の私だった。
私は私でいたかった。
争う様に、逃げる様に亀くんとさえ共に住むことを拒み、興味もない仕事をした。
それでも、金太郎くんに初めて彼を見た時、私の魂は打ち震えた。
ーーー何もかも不愉快だった。
私の中で騒めく夢の中の私も、歓喜に震えるこの体も、
ただ一度、会えた事がこんなにも嬉しいことも。
初めは怒りにも似た衝動で、からかって怒らせて、追い出すつもりだった。もう二度と会わなければ、この不快感から解放されると思っていた。
不快感はすぐに覆されてしまった。
彼は夢の中の彼ではなかった。
夢の中の彼の様に、粗野で、喧しく、馬鹿みたいに純粋なのに。
違う。違った。彼は、初めて知る。
あの赤ではない。いや、確かに赤バニーだったが!そうではなく!!
夢のものではない、私だけが知る存在だった!
どれほど歓喜したことだろう。
困ったように眉を顰め、助けを求める姿を、瞳を潤ませ、それでも逃げることすらままならない。
堪らなかった。
夢でそういう事が全く無かったわけではない。だが違う。
彼は私の金太郎くんだ。
快感で酩酊する姿も、初めてのキスを狼狽えながら受け入れるそれも。全部全部。
もうダメだった。
毎日会いたい。毎日私のご飯を与えて、好き勝手彼を弄びたかった。
日に日に私に囚われていく金太郎くんが可愛くて仕方がない。
おかしくない?なんでこんなに可愛いの?
よくもまあ私の所に来るまで童貞処女だったね!?
くっそ知ってたら先に吸血して…ないな。多分そうだって知ってた上で止められなかったから今があるわけだし。
そんなさ、目に入れたら死んじゃう位可愛い子からさぁ、
旅行…しかも温泉のお誘いとかどう考えてももうエッチなやつじゃん!昨日はお楽しみ奴じゃん!?
風呂上がり
火照ったうなじに
カプリチオ
以外考えられない!
…ねえ亀くん、何を察して『御無体はダメヌ』って
今までもそこまで嫌がる事とかしてた…
めちゃくちゃ眉間に皺を寄せて…ヤダ亀くんのそんな表情初めて…
はい…なるべく優しくします。
ハァ〜↑↑ 今から楽しみすぎて毎秒死んでる。
何着てっこかなここはスマート&キュートな私を最上エレガントに魅せて更にメロメロにさせちゃおう。
そしたら…金太郎くんからキスのおねだりとかされちゃったりして〜!キャッ♡
あぁ!早く迎えに来ないかな!!!