エロビバノンノ★前夜私はよく夢を見た
私の側には亀くんとよく似たアルマジロがいた。
お父様もお母様も、御真祖様も、私のよく知る彼らのようで、何処か違っている気がした。
そんな夢で、私は真っ赤な衣装を纏った青年と共にいた。
煌めく銀の髪に、誘う様な碧眼。
完成された肉体美で生きた彫刻様な姿とは裏腹に、性格は粗暴で、喧しく、馬鹿みたいに素直で。
彼との生活はひどく眩しく、賑やかで、心躍るものだった。
それは、それは非常に美しく、愛しいーーー
ーーー悪夢だ。
不愉快だった。
私ではない私の人生は、まるで私を追い立てる様に脳裏に焼き付いた。
いつか私は「彼との記憶」に飲み込まれそうだと思った。嫌で嫌で仕方がない。
夢の私=私かもしれないが、私≠夢の私だった。
1346