Sweetness as usual ピンク色を主体に、ポップで可愛らしいもの、豪華絢爛なもの、シンプルなデザインの箱がショーケースにずらりと並んでいる。それらの中身は多少デザインが違えど、すべてチョコレートだ。
好きな人へ贈り物をする日、というのが近々訪れる。それは恋人同士が盛り上がる日であり、恋人未満の者の背中を後押しする日でもあり、普段世話になっている人へ感謝を伝える良い機会にもなる。
最近は花や物以外に、手軽に食べられるチョコレートが流行っているという話は聞いていたが、まさかこうして専用のショーケースが出ているほど浸透しているとは知らず、まじまじと眺めていたときだ。
「贈り物ですか?」
ハッとして顔を上げると、店員が和やかな笑みを携えてこちらに語りかけてきた。
4224