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    🌾🐰事故チュー小説自己満

    気のせい気のせい!ある日の昼下がり。
    探偵事務所の電話が鳴ることはなく、明日提出である宿題もきちんと終わらせた。故に、今はぐうたらタイム。
    お世辞にも広いとは言えない、小さく狭い事務所に設置されたソファに腰掛けながらSF本を読みふけるこの時間は至福の時間と言っても過言ではない。小さな机に置かれたお菓子をつまみながら鼻歌交じりで本を読み進めていく。机の向かい側ではUSAピョンが妖怪パッドをいじっている姿が見えて、彼もまたのんびり時間を過ごしていることがわかった。
    今読んでいるSF本は私の1番のお気に入りの本で、何度も読み返しているものだ。この次に読む本もいつも大抵同じ本、ちょうどその本がUSAピョンの後ろの棚にあるのが見え、取ってくれと頼むことにした。


    「ね〜USAピョン、そこの棚にある本、取ってくれない?」


    あれあれ!と指をさしては読みたい本を指し示す。妖怪パッドから顔を上げたUSAピョンは、私が指さす本が分からないようで立ち上がっては探し始める。しかし背が足りず見えないようで、台を取りに移動し始めた。
    なにぶんUSAピョンは背が小さいものだから、高い所に置かれたものを取るためにはまず足場に台を置くところから始まる。椅子からぴょいと飛び降り、てってこ向かった先はUSAピョン専用の台が置かれた場所。ソファに座る私は足をパタつかせ、まだ?早く〜!と、口にはせずともUSAピョンを急かす。正直そこまで急いでいないのだが、USAピョンの反応を見るのが楽しくてついやってしまうのだ。


    「ちょっとくらい待つダニ!つーか、そんなに急かすなら自分で取れダニ!!」


    私の行動に段々と腹を立ててきたのか、怒った様子で言うUSAピョン。へへ、違うんだよ〜!私はUSAピョンに取ってもらいたいの!なんて事は口が裂けても言えないが。小言を言いながらもUSAピョンは台を使い私の欲しい本を取ってくれて、渋々私の元へと持ってきてくれる。私はその本を受け取るべく、背もたれに手を掛けてはUSAピョンの方へと体を向けた。

    「へへ、ありがとうUSAピョン!なめ吉もたまには役に立ちますな〜!」


    「誰が渡すって言ったダニ。」


    本を差し出してくれると思った、そのためUSAピョンの方へ手を伸ばした。
    しかし本日は意地悪なUSAピョン。本をわざと、私の届かない方にやってしまう。
    よ、ほ、は!と方向を変えて手を伸ばす。それをやすやすとかわすUSAピョン。

    こうなればバトルの始まり。

    私が先に本を取るのが先か、リタイアするのが先か。負けていられない!と、素早い動きで本を取ろうと両手を動かす。USAピョンも負けじと!高速度で本を移動させる。

    思わず勝負に身が入り過ぎてしまった。

    両手で勢いよく本を取ろうとしていた為か、体重で座っていたソファがぐらりとUSAピョンの方に傾いてしまう。私はそれを止めようにも、既にバランス感覚を失っており立て直すことが出来なくなっていた。

    視界に入るのは焦った様子のUSAピョンと、放り投げられたSF本。逃げる隙もなくソファは倒れていく。私は倒れる衝撃に備えるためにぎゅっと力強く目を閉じて……


    ごちん!!



    と、強く頭をぶつけた音が響いた。
    しかし私には対して痛みが無い、むしろどこか柔らかい感覚さえあった様な気がした。なぜ?と片方の目を開けると、視界に入ったのはソファの下敷きになったUSAピョンがひとり。どうやら先程の音はUSAピョンのヘルメットが床に激突する音の様、私にダメージが少ないのはUSAピョンをクッションにしたからであるのは一目瞭然であった。


    「あ、あああ〜!!!ごめんUSAピョン!!生きてる?いや死んでるか……じゃなくて!!」


    私は慌ててソファから飛び降り倒してしまったソファを立て直し、USAピョンの安否を確認する。どうやら目を回しているだけのようで一安心、そうと抱き上げてはソファに座らせた。目を回しくらくらとしているUSAピョンの向かい側にしゃがみ込むと、おもむろに人差し指でUSAピョンの鼻をつつく。


    ………さっき感じた柔らかいの、まさか口?そんな事ないよね。全身こんなに柔らかいんだから、さっきのは気の所為!そういうことにしておこっと。

    口元に人差し指をあてがい考えを過ぎらせては頭を振る。うん、気のせい気のせい!私は放り投げられたSF本を床から拾い上げれば空いたソファに腰掛け、のんびりタイムを再開させた。
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