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    ライサ

    テニプリ中心。カプが違うときは別世界あつかいです。
    今はほぼぴくしぶでやっています
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    ライサ

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    キタニトの小話、学校です

    #テニプリ
    tenipuri
    #キタニト
    #山吹
    yamabuki

    煙水晶第二校舎のドアを開けた。
    喜多は鼻の頭をクシャッとさせた。首を左右に振る。跳ねた髪の毛が新渡米のほほをぴしんと打った。鉄のドアに至るまでの階段で肩を抱いて歩いていたのだ。
    「猫みたい」
    喜多の先輩は片目を閉じた。おどる髪はよけない。
    「だってータバコの臭いして、強くて」
    「たしかに残ってるねん屋上なのに」
    「さっきまでいたんだ」
    「喜多、探偵みたいなこと」
    新渡米は温かい初夏のコンクリートに座った。両足を投げ出して弁当箱を乗せる。
    「うーん、亜久津先輩かな」
    「違うね」
    「えっ」
    「タバコがちがう」
    喜多が下を向くと新渡米もまた上向いていて顔が近かった。先輩の前髪が風に流されて半分おでこが見えていた。でも風が手をやすめればあっという間に元通りだ。
    「い、…ろんなの吸うんじゃないですか」
    喜多は言う。
    「メンソールだけはないからさ」
    新渡米は声が小さい。もう興味を失っている証拠だ。
    「おまえもいい鼻してんだからわかれば」
    「あんまりくわしくなりたくないですよ」
    「そだろね。あぁーーーもう風でわかんないよ。気にするなよ」
    喜多は靴箱のシューズの右足と左足みたいにくっついて座った。
    「食べましょうか」






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