溶け込む愛の形 電気の消された薄暗い部屋の中、遮光性の高いカーテンが閉められたせいで、今が朝なのか夜なのかも分からない。そんな部屋に置かれたベッドの中、乾いた咳が響き渡る。
「ゲホッ…」
ライラック色の髪の毛をぐしゃぐしゃにしながらゴロリと寝返りを打ち、ダンデはなんとか眠りに沈もうとするが、咳と熱でそれも難しい。繰り返す咳と、ゼエゼエと聞こえる呼吸音だけが響く。
「ダンデ、寝てる…?」
「ッゲホ……キバナ」
「あ、起き上がらなくて良いって」
なんとか朦朧とする意識でも起きあがろうとしてくるダンデを慌てて止めながらキバナは慌てて部屋の中に入ってくる。
「…今、何時…ゴホゴホッ…」
「ほら、無理に喋るなって…。やっぱりもう溶けてたか。ちょっとだけ頭ごめんな」
2707