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    辻紫しの

    辻紫(つじむら)

    司類/ミコジョン(0909)/dndzほか

    検索避けしたいジャンルの文とか、えちちなのとか、供養したいやつ投げるつもり。

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    辻紫しの

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    ミコジョン(0909)

    ジョンをとにかく救いたくて書いた話。
    自分の中で解釈違いを起こしたのでここで供養します。

    ※第2審軸
    ※諸々捏造している
    ※なんでも許せる方向け

    悪夢(ミコジョン)__きっとこれは悪い夢だ。

    「うわぁ、本当に同じ顔してる……鏡見てるみたい。」

    何処へ向かってるかも分からない電車の中。
    俺の顔をじぃ、と見つめる僕__ミコトは、そう言ってはにかんだ。

    対して俺は、目を瞬きさせる。
    いつもミコトは、〝此処〟で俺が起きてる時は寝ているはずだ。それはきっと、逆も然りで。俺とミコトが同時に起きていることは有り得ない。ましてや、俺をミコトが認識しているなんて、そんなことは絶対にありえない。

    ___ありえない、はずなのに。

    夢でも見ているのか、はたまた幻覚でも見ているのか。俺は目の前の現実を疑うことしか出来ず、ただ目の前にいるミコトを見つめるだけだ。口を阿呆みたいに開けながら、俺はどうにか絞り出した言葉を呟く。その声は、酷く震えていた。

    「……は、…なんで、ぼ……ミコト、が」
    「あ、やっぱり声も同じなんだね。…ん?でも君の方が低い、かも?同じ声してるのに、こんなにも印象違うの面白いね。」

    看守くんとか聞き分けられたりするのかな、そう言ってミコトは可笑しそうにくすくす笑う。その顔は、俺のよく知る疲れ切った、やつれたようなミコトじゃない。平凡ででも幸せそうな、〝俺が望んだ〟ミコトだ。

    __ミコトにもし俺の声が届くのなら、言いたいことは山程あった。
    何度も言った「おはよう」や「おつかれ」の挨拶だって、限界を無視してまで頑張るミコトを止める言葉だって、それこそ労うような優しい言葉だって、沢山、沢山、届かないミコトに向かって言っていた言葉が沢山あった。
    今こそその言葉が言えるのに、俺の声が届くのに、どの言葉も俺の口から出ることはない。

    沈黙の中、ただ車輪の音と吊革が揺れる音が響く。隣に座ったミコトは、俺の顔を覗き込んで言う。

    「…ねぇ、君の名前なんて言うの?」
    「…ジョン、ジョン・ドゥ。…看守のガキが勝手につけた。」
    「看守くんが?へ〜意外!もし名前がなかったら、僕が考えようかなぁって思ってたんだけど。」
    「…別に看守のガキが勝手につけた名前だ、好きに呼べよ」
    「え〜、でもジョンって名前いいと思うな。ほら、犬みたいで可愛いし」
    「…………」
    「え、あ、駄目だった!?褒め言葉のつもりだったんだけど!?」
    「………」
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    辻紫しの

    DONEキバ練(キバレン,練レン)

    誕生日に偶然再会してしまうふたりの話。
    捏造設定がかなり多いのでなんでも許せる人向け。
    いつかキバとレンが再会できて、笑いあえますように。

    ※練牙区長ノベル、練牙BD(2024)カドストネタバレ
    ※キバが西園家の裏稼業(血なまぐさいこと)を全て引き受けているが故に、表に出て来れない設定
    ※キバの服装諸々捏造あり
    ※なんでも許せる方向け
    サイカイ(キバ練)「……変わってない、か。」

    路地裏にある、薄汚れた室外機の下。
    古びたクッキー缶を開ければ、「キバの太陽」の面が月明かりを浴びて鈍く輝いていた。

    ___今日は、『西園練牙』の誕生日。
    キバからのメッセージを貰って、もしかしたら今日この場所に来るのかも、なんて考えた。こっそり寮を抜け出して、あの時みたいに胸を高鳴らせて。逸る鼓動を押えながら薄暗い路地を覗けば、そこは静まり返っていた。

    ……ほんの、ほんの少しだけ、期待をしていた。今日なら、…今日こそ、キバに__練牙に、会えるかもしれないって。きゅ、と胸の奥底が痛んだ。

    自分の期待と寂しさを沈めるように、ゆっくりと缶を閉まっていく。……大丈夫、練牙はオレを、ずっと見ててくれる。きっと、いつかまた逢えるはず。
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