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    bach_otamama

    @bach_otamama
    普段はFGOヘクトール受メインに小説書いてます。アキヘク、タニヘク、マンヘク多め。こちらはメギド72ロキマネなどFGO以外の作品を上げていく予定です。

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    bach_otamama

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    チユヴリ(と言い張る)
    無意識兄モードでヴリトラのことを話すシェンウーに、「クソ蛇のことは何でも知ってると思ったのに」と無自覚で嫉妬するチユエンです。
    ヴリ姉は年が離れているのかも、とかヴリトラと似ているとか妄想捏造すみません。
    カイムが出ているのは私の趣味です。

    #腐向け
    Rot

    やきもち カクリヨで協力を得られ、ソロモンとの契約に応じた継承メギド達は、いったんアジトに居室を用意することになった。
    「カイム、ちょうどよかった」
    書類の整理をしていた青年が振り返る。
    「我が君、おいでとは気づかず失礼しました」
    優雅な仕草で一礼する青年にチユエンがうへえと肩をすくめる。
    「そっちの礼儀作法ってのにはまだ慣れねえんだよな」
    「そぅお?なかなか美しい動きじゃない?」
    「クネクネしてるクソ蛇には似合いかもな。あ、でも足の長さが足りないか?」
    「ガサツな猿に言われたくはないし、アタシの抜群のプロポーションに文句ある?」
    「何だとぉ!」
    「あ、あの……チユエン、ヴリトラ」
    睨み合う二人をソロモンが交互に見やる。
    「我が君を前に醜い言い争いはやめていただきたいものですね
    カイムが呆れたように両手を広げてみせる。
    「すみません。あの二人は仲が良すぎて」
    「シェンウー!誰と誰が仲良いって!」
    「バカ猿と一緒にしないでほしいわね」
    ヴァイガルドでも珍しい肥沃な大地の褐色の肌をした青年が詫びる。
    「貴方がたが東の……ええとカクリヨから来た方々ですね」
    異端審問官としてハルマ麾下の組織に所属し、母を探すためにも様々な地域の記録を調べてきたカイムだがカクリヨのことは聞いたことがなかった。
    「はい。私はシェンウーと申します。チユエンとツルギ様がお世話になっていますね」
    「ツルギ殿は聡明なお方ですね。ああ、ですが継承メギドといえども我が君と契約した以上、こちらの流儀も知っていただきたいものです」
    赤い瞳がチラリとチユエンを見た。亡き母の言葉を受けて、運命の恋人になる女性を探している青年は若い女性に出会うと求婚してしまう。継承家系の者との婚姻は禁じられているためソロモンと契約している女性メギド達やチユエンと年の近い姉妹のいそうな男性メギドへ声をかけることはほぼないが、恋愛話ならおまかせのサキュバスをして頭を抱えさせてしまっている。

     チユエンとヴリトラはまだにらみ合っている。唾が飛ぶことのないよう、さりげなくヴリトラが口の前に手をかざした。
    「私が代わって話しましょう。チユエンのことはもうご存知ですよね」
    「ええ。貴方が継いだメギドの名がシェンウーですね?」
    「はい。彼の向かいにいるのがヴリトラ。彼は毒を操ることができます」
    「毒物を持ち歩いているということですか?」
    「いいえ。ヴリトラを継ぐ者は幼いころから毒を飲んで育ちます」
    「なるほど。ベニモンアゲハのようなものですね。赤くはありませんが」
    ベニモンアゲハやジャコウアゲハなどある種の蝶は毒草を食べて育つ。草の毒は少しずつその身に蓄えられていき、羽化した時には全身に毒を帯びた華麗で危険な毒蝶となる。カイムの言葉にシェンウーは頷いた。
    「ええ。亡き姉君に似て、美しくなりました」
    「ちょっと、何話してるのよシェンウー!」
    聞きとがめたヴリトラが柳眉を逆立てる。シェンウーはすまなそうに目を伏せた。
    「いや、そんな顔されると困るんだけど」
    「クソ蛇がしおらしくしてると変だぜ?ったく、面白くもなんともねえ」
    チユエンが頬を膨らませた。あの日、友達になると言って手を繋いだ日から一番長く一緒にいた。何でも話してきたし話を聞いていると思っていた。だがシェンウーの火傷の痕といい、ヴリトラと彼の間にはチユエンも知らない、そして入り込めないものを感じる。自覚できていない妬心に青年は苛立ち、声が尖る。ヴリトラもチユエンの苛立ちの正体には気づけなかった。
    「アタシの美貌のどこが変だというのよ!」
    「自分で言うかぁ?化粧の匂いぷんぷんさせやがって、けばけばしい」
    「香水の良さがわからないようじゃ連敗記録もさぞ伸びたでしょうね。あとで教えてちょうだいな」
    「カイム、話すことなんざねえぞ!俺がもうすぐ300連敗するって絶対言うんじゃねえぞ」
    「ご自分で暴露してますが。痴話げんかは放っておいて、シェンウー殿。貴方からお聞きしましょう」
    「あの二人のことですか?本当に仲が良くて」
    「そういう話は後程」
    「それは残念です」
    メガネの奥で目を細めるシェンウーの弟を見守る兄のような眼差しに、カイムは少しばかり居心地の悪さを覚える。亡くしてしまったかつての友を不意に思い出す。全く似ていないのに、おせっかいな彼はカイムを手伝うといって声をかけてきた。

     追憶を振り切り、カイムはペンを取った。
    「今は、このアジトで暮らすために必要なことをお聞かせいただけますかな?」
    体液に毒が含まれるヴリトラは念のため食事当番や洗濯当番は免除した方がいいだろう。何度言っても聞かないがバラムの例もある。アジトの家事や雑務の分担については注意した方が良さそうだ。
    「それはメギドとしての能力を?それとも他のことでしょうか」
    「戦力的なことは、他に適任者がいますので後で改めて。まずはそうですね、料理などは得意ですか?」
    「そうですねえ」
    「ああ、場所を変えましょう。うるさくてしょうがない」
    「じきに慣れますよ」
    「慣れたくはありませんが、我が君もよろしいですか?」
    「ああ、えっとそうだな。食堂に行こうか」
    「今日はアリトンがいますので、お茶を淹れてもらいましょう。まずは3人、それから追加で2人」
    「ありがとうございます。では、できるだけ香りのよいものをお願いします」
    まだ言い合いを続けている二人を見やったシェンウーが答えた。
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    bach_otamama

    DOODLE〆でも観○少女パロをついに書いてしまいました。プランツロキとマネージャーの出会い編。ナナシというのもなんですが、さすがにマネージャーという名前にするのは無理があったので……そこらへんももし続きを書けたら書きたいです。
    観用召魔 歌声が聞こえた気がして、ナナシは周囲を見渡した。しかし、辺りには声の主と思しき人影は見られない。気のせいかと思って歩き出すと、また声が聞こえた。
    「あっちの方か」
    振り切って歩こうとすると声が気になってしょうがない。歌は少し前に流行った歌で、ナナシも好きな歌だ。だが、好きな歌だからといって、声の主を探したくなるようなことは今までは一度もなかった。

     不思議と彼の心を揺さぶる歌声に引きつけられ、声をたどって歩き出す。気づけば、普段は通らぬ小路に入り込んでいた。
    「メギド72?変わった店名だな」
    瀟洒な建物の前には、店名を記した小さな看板があった。だが、重厚な紫檀のドアといい、漆喰を塗り重ねた壁といい、堅固な作りの建物はとても歌声が漏れ聞こえるようには思えない。以前には劇団を率いていたので、音響などには多少の知識がある。そして、近くにいたわけでもないナナシにも聞こえるような歌声ならすぐ近くに来たらさぞかし大きな声だろうと思うが、音量は先ほど聞いた時となんら変わらない。
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    bach_otamama

    DOODLEベルイム。大遅刻ハロウィンすみません。惨劇前の例えば、な一日です。
    東方イベで各地域や職務担当のハルマがいるみたいなことをお出しされたのと、異端審問官がハルマの作った組織なあたりからの捏造や想像を含みます。
    時系列は明記されていませんが、トルケーの惨劇を10年ほど前、カイムが母親と別れたのはハルファスと同じ14,5歳くらいと仮定しています。
    I'm a wizard 陽光を紡いだような美しく長い金の髪と蒼天の瞳、彫りの深い端正な面差し。冷たく冴えた冬の晴天のような美貌はいかにもハルマらしい。一方で、調和を良しとする彼らには珍しく、長い髪を奔放に背へ流し、白い服も大きく着崩している。
    「一週間後はハロウィンだ。クロウタドリ達も自由に歌っていいだろう?なに、担当者の許可は取っている。たまには楽しみたまえ」
    ミカエルと名乗ったハルマは審問官たちへ片目をつぶってみせた。
    「そういう問題でしょうか」
    「とかく君達は誤解されやすいからね。祭りに参加して市民たちと交流するのも大切だ」
    飄々とした男に反論できるものはいなかった。

     大地の恵みが見える者、人ならざるモノをその身に宿す者、理由などないが他者と交わって過ごすことに苦痛を見出す者。そうした者が時折、異端と断じられることがある。異端審問会は、そのような人々が虐げられる前に、あるいは他者を傷つけてしまう前に保護するためにハルマが作った機関だった。パクス・ハルモニア。追放メギドはもちろん、そうでない者も含め、調和や統一をヴィータへも求める彼らにとって異端者は時に和を乱し好ましからぬ事態が起こる。だからこそ保護し、遠ざけて彼らも残る者も暮らしやすいようにする。しかし、遠ざけるがゆえに誤解を招いた。異端審問は異端者への対応が集団生活で避けられぬストレスや心的不安と重なった際に、審問という名の他害へ名分を与えてしまった。事実、ボダン村など誤った異端審問の他害はずっと残り続け、異端審問会はひそかに恐れられている。彼らがクロウタドリと符丁を使うのも、異端審問への誤解からあらぬトラブルを避けるためでもあった。しかし、知らないことは誤解を生む。未知は恐れを生み出す。誤解を解くように、知ってもらうようにと仮装してハロウィンへ参加するというミカエルの提案を審問官たちは受け入れた。
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