〔ネタバレ〕彼岸花世界における魂と記憶の関係に関する推察〔彼岸花の咲く夜に〕『彼岸花世界における魂と記憶の関係に関する推察』
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非公式二次創作の短考察文です。
彼岸花シリーズ全般のネタバレを含みます。
一個人の主観に基づく解釈・妄想を含みます。
登場キャラ:人ならざる教師・めそめそさん・心霊写真機の関係者、その他学校妖怪八席とその被害者等
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●:超項目 ◎:巨項目 ▲:大項目 □:中項目 ★:小項目 *:粒項目 ¥:微項目 ※:僅項目 #:疎項目
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●目次
◎前書き
◎要約
◎原作要素
◎推察
◎疑問と解消
◎まとめ
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◎前書き
▲一部内容が前作「カナと雪の女王」と重複しています。
□(前作における「氷室恵美生存ルート」的な側面もある為)
▲色々と考えてみましたが、結論が出ませんでした。(いかがでしたか?系ブログ)
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◎要約
▲色々と考えられる
□金森が「人ならざる教師」での記憶を失ったのは、キョウが校長に上納したからかもしれないし、キョウ単独で消せる程度の規模の記憶消去だったからかもしれない
★即ち氷室側の記憶は消えているかもしれないし、残っているかもしれない
□マンモス校において誰かの魂が他者に奪われると、その一部が自動的に校長に上納され、更に自動的に世界あるいは被害者から記憶(の一部)が奪われる…というシステムが存在する可能性がある
□キョウが金森の記憶を奪ったのは、「悪ぃ教師」から「悪くねぇ教師」に作り変える為だったかもしれないし、性格の反転した“鏡の世界の”キョウだったからかもしれない
▲【公式からの追加情報】と言う名の赤字が更に出ない限りは猫箱
□猫箱において、あらゆる推理・解釈・妄想は同時に並び立ち、互いに不可侵…!
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◎原作要素
▲竜騎士07 蔦屋書店サイン会Q&A(2023.10.29)
□めそめそさん時点の金森は、「人ならざる教師」での記憶を失っている
□記憶を失った原因は、魂の善側の半分を奪われた事
★善の魂を失った直後くらいに記憶を失った
▲人ならざる教師
□金森の魂の半分、善の側をそっくりそのまま取ったキョウ
□キョウ「クラス全員を平等に愛せない金森はもはや教師じゃねぇもんなぁ?」
▲めそめそさん
□毬枝が初めて魂を喰らったのが金森
▲心霊写真機
□彼岸花「妖怪が人間を喰らうと行方不明に、人間は大騒ぎし、怖がって学校に近寄らなくなる。それは迷惑。だから記憶を世界から消してもらう」
□毬枝の母が錯乱して死んだ場合は、妖怪の関与を疑われない為、校長への上納は必要ない
□校長にもはや自ら狩りをする力は無いが、記憶を消す能力のお陰で上納によって食い繋いでいる
□妖怪が喰らった魂の一部を上納する事で世界から被害者の記憶を消してもらう
□野々宮からだけ沼田の記憶を消さない・思い出した毬枝の母から毬枝の記憶を消し直す、という細かい調整が可能
□野々宮に干渉する直前に沼田の記憶が消された事は彼岸花にとって不本意
□毬枝に関する記憶は、校長に頼む事で世界から消している
□魂を喰われた人間は地獄に行く
□彼岸花の意思で地獄と現世を行き来させられる陽子
▲お姫様の嘘
□教頭はみどりの魂を少しずつ喰らっている
□みどりにとって一学期のイジメは思い返すのもおぼろげな遠い記憶
★頭を強打し「胸の奥の、深いところにある頑丈な何か」が割れた事によって、一学期の記憶を思い出す
▲とある少女の一日
□一度喰われた魂も、解放されると天国に行く事が可能になる
▲ユートピア
□イジメもいじめっ子がいじめられっ子から魂を奪う人間同士の狩りである
□毬枝は尾崎の魂を半分ほど無自覚に喰らった
□スミレはある日突然意図的に、由香里以外のクラス中から大住玲子の記憶を奪った
□大住玲子の記憶は世界から急に消え得るが、過去の三隅麗の記憶は世界に残っている
▲お月見会
□キョウは自称“人間の邪悪”を狩るクールなハンター
▲鏡の世界
□登場したのは性格の反転した世界、それ以外にも無数にある
▲復讐のアザミ
□究極のいじめっ子を作り、それにいじめられる大勢から魂を喰らうアザミの狩り
□反転していじめっ子になった大勢がいじめを生み、そのいじめられっ子から魂を喰らうスミレの狩り
□アザミの効果でいじめっ子になった正明は記憶力が著しく上昇した
▲彼岸花の咲く前に
□秋一に対するいじめの記憶は世界に残っている
▲放課後
□キョウは夢と現の境界を司る妖怪で、住人
□幽霊と生者が心霊談義
▲資料室
□金森は毬枝以外に対しては善良な教師であり続けた
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◎推察
▲妖怪達は基本的に校長に魂の上納をしたがらない?
□世界から記憶を消す目的は概ね「妖怪による人間の死や行方不明を隠し、人間が恐怖で学校に寄り付かなくなるのを防ぐ為」なので、その必要が無ければ奪った魂を独り占めにする?
□錯乱による自殺なら妖怪の関与を疑われず、毬枝の母親の魂を上納する必要もない、と語った彼岸花だが、学校関係者(生徒や教師)から魂を奪った場合は原則的に上納義務がある可能性も?
★学校関係者で作中魂を一部でも奪われる描写があるのは金森、毬枝、陽子、みどり、尾崎、由香里、正明、他モブ生徒多数など
*この内、過去の記憶について失う又は曖昧になる描写があるのは金森(「人ならざる教師」での記憶)、みどり(一学期の遠い記憶)、正明(いじめ被害に伴う不調)、ユートピアでの由香里の組の生徒と教師(大住玲子の記憶)
¥いじめっ子側に回ると記憶力が上昇する事、いじめられると魂を削り取られる事を考えると、いじめを含め“魂を奪われる事”そのものに“記憶を(大なり小なり)失う”弊害が伴うという法則も垣間見える
※システム化しているなら、校長への上納・記憶消去は都度の取引ではなく自動収集・自動発動である可能性も
#自動であれば「陽子が死んでから野々宮の魂を奪うまでの間に記憶が消された」事を悔しがる彼岸花の描写とも整合する
▲限られた人間から記憶を消す事は校長以外の妖怪にも可能?
□少なくともスミレは自身の関わった記憶をクラス中から任意に奪える
★妖怪自身の関わった記憶に限定?
*任意に記憶を消しているように見えて実は自身から削り取られた魂が校長へ上納されている?
¥積極的かつアザミと組んで狩りをしていたのにルノワールより序列が低いのはその所為…?
★キョウや他の妖怪達にも可能?
*契約した記憶は消せても人ならざる教師(氷室との交流)での記憶への干渉は流石に困難?
¥奪う対象が金森一人程度、かつ奪った“善の魂”に関わる記憶なら可能?
▲死が伴う程の事態でなければ基本的に妖怪達は記憶を消さない?
□両目を失明させる壮絶ないじめの記憶が秋一から消されず、残っている
★失明でも十分恐怖で学校から人が離れそうだが…
★[金森から記憶が消される為に、それ程の理由が…?]
*氷室が死んだ所為?
¥氷室の死と「善の魂とともに失った」事が整合しない
□スミレは自身の損得で軽率に記憶を奪う
★結局はそれぞれの妖怪の裁量?
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◎疑問と解消
▲金森は何故、記憶を失ったのか
□キョウに魂の善側の半分を奪われ、それに基づく人ならざる教師(氷室との交流)の記憶がキョウの意向で金森から奪われた(キョウ単独による記憶消去)から?
★大住玲子の記憶をクラスから自在に奪えるスミレと同様の能力によるもの?
*キョウが関わった場面は契約のみのため、それ以前の氷室との交流の記憶まで消せるのはスミレに比べて強すぎる?
¥キョウの支配下にあるのが金森だけでなく氷室もなら、氷室からも当該記憶が消された可能性も
※スミレは支配下のいじめっ子達からのみから大住玲子の記憶を消している為(由香里からは消されていない)
★校長の地位を脅かさない範囲での記憶消去であると思われる
*人ならざる教師での範囲の出来事の影響では校長に頼る(世界から消す)必要もなく、キョウが上納しなかったという考え方
□キョウに魂の善側の半分を奪われ、その一部をキョウが校長に上納したから
★何もなければ氷室は存命であると推測される
★記憶の消去は世界に対しても、個人に対しても行えるなら、金森のみから人ならざる教師(氷室との交流)の記憶が消えたパターンも、氷室との交流を含む金森の善なる部分に基づく過去のあらゆる事象の記憶が世界から消え“無かった事になった”パターンも両方考えられる
*金森のみ忘れた場合
¥記憶と善の魂の喪失により急に態度の変わった金森と退院した氷室が残される事になる[かわいそう…]
*善なる金森絡みの記憶が全て、世界から消えた場合
¥めそめそさんの金森が“毬枝以外に対しては”善良な教師であり続けた、という点と矛盾するような気がしなくも無い
※[金森の善行が全て“無かった事”になる点を考えると、周囲の反応の変化から、世間体など気にせず身勝手に振る舞う性格になってもおかしくない気がする]
¥めそめそさんの金森がネガティブな記憶ばかり(ザリガニ探し以外?)を思い出すのは、過去のポジティブな記憶までもが全て消えてしまったから…?
¥当然氷室も金森との交流を全て忘れた事になる
※教わった解き方や勉強の仕方も“記憶”なら、氷室の成績も元に戻りそう?[えぇ…、嫌だ…]
▲キョウには何故、金森の記憶を消す必要があったのか
□氷室の影響でもはや完全に(平等であるべき)教師では無くなってしまった金森を、生徒皆に平等な教師に作り変える為
★善の魂を失っただけでは性格が変わるだけであり、「氷室が金森にとって特別な生徒(教師としての大きな成果)である」という贔屓目が失われず、“平等”になりきれない危惧がある為
*妖怪は必要がなければ校長に上納せず奪った魂を独り占めすると推測されるが、この時のキョウには必要性があった
▲自称“人間の邪悪な部分を狩る”キョウが、金森から奪ったのが“善”の魂だったのは何故か[一部、前作と重複]
□金森を平等な教師、即ち「悪ぃ教師」の正反対の性格に作り変える為
*手間の掛かる生徒にこそ手間を掛ける“公平”な教師であろうとした金森のスタンスは、善側の性格によるものだったと推測される
¥その後の金森は“毬枝以外”つまり氷室を含めて贔屓をしない、平等な教師として過ごしたと推測される
□鏡の中から登場する為、表の世界と性格が真逆、即ち“善き部分を狩る”鏡の世界のキョウだった可能性も
▲善の魂を奪われた後の金森はどうなるか
□キョウの望み通り、贔屓をしない平等な教師として過ごすが、半分の魂を失った影響で(徐々に)衰弱・性格変容を起こしていく
*めそめそさんの金森に見られるコンプレックスの肥大化は、この影響(と善なる記憶の喪失)による所も大きいと推測される
¥[人ならざる教師の金森は女の期待を裏切らないが、契約後の金森は裏切りそう]
□平等な教師として氷室以外の生徒に割く労力や手間が確保され、父兄や生徒からの評判は向上するものと推測される
★「毬枝以外には善良」という表現はこの部分に当たる
▲金森の記憶を取り戻すには?[前作と一部重複]
□心霊写真機を使う
★野々宮や毬枝の母と同様の手順
★まず氷室の居場所を突き止める必要が…
□胸の奥の、深い所にある心の中の頑丈な何かに亀裂を入れる
★みどりと同様の手順
★金森の頭に豆腐の角をぶつける事により果たされる
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◎まとめ
▲色々と考えられる
□金森が「人ならざる教師」での記憶を失ったのは、キョウが校長に上納したからかもしれないし、キョウ単独で消せる程度の規模の記憶消去だったからかもしれない
□マンモス校において誰かの魂が他者に奪われると、その一部が自動的に校長に上納され、更に自動的に世界あるいは被害者から記憶(の一部)が奪われる…というシステムが存在する可能性がある
□キョウが金森の記憶を奪ったのは、「悪ぃ教師」から「悪くねぇ教師」に作り変える為だったかもしれないし、性格の反転した“鏡の世界の”キョウだったからかもしれない
▲いかがでしたか?
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●後書き(スペシャルサンクス)
◎蔦屋書店で竜騎士07先生に人ならざる教師についての質問をしてくれたシャールさんと答えて下さった竜騎士07先生、本当にありがとうございます!!!
◎FW3ではお隣ブースの「妄想幻覚24時」さんでこれらの推察から発展させたプロットを元に漫画を描いて下さっています! 是非ご覧下さい! 広瀬さん本当にありがとうございます!!!
◎And you
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