満たして満たされるドーリィドルチのライブに行列店のスイーツが差し入れられた。しかし、一体誰の、何処からの差し入れなのか分からないという。
「めちゃめちゃ怪しいでちゅ」
「はーい、じゃあミーが毒味してあげまーす!」
「食べたいだけでちゅよね?」
冷たいツッコミを無視してスイーツを頬張るピグマカロンのキラキラした笑顔に、チョキュルイユはやれやれと溜め息を吐いた。
リムジンの中。
「シュウ☆ゾーくん、なんだか今日は嬉しそうですね」
「差し入れがちゃんと届いたかなと思ってね。笑顔で美味しそうに食べる、彼女のそういうところが好きなんだぁ☆」
窓の外。ビルとビルのあいだから顔を覗かせた満月に、彼女の笑顔を浮かべた。
(おわり)
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