星空に響くメロディー/ロド『あっ、ロナルドくん。ここ、閉店するんだって』
夜のパトロール中に突然とあるお店の前で足を止めた吸血鬼…ドラルクが俺に向かって声をかける。その声に自分も足を止めて少しだけ進んだ道を戻ると、目に入ったのは【閉店のお知らせ】と書かれた一枚の張り紙だった。
その店は薄暗く、中に飾ってある小さな壁掛けのライトが店内を照らしているだけで商品は買われていったのだろうか、殆ど見当たらなく殺風景になっていた。
『…長い間ご愛顧いただき、まことにありがとうございました。勝手ながら、当店は八月いっぱいを持ちまして、閉店することとなりました。…閉まっちまうのか』
『まぁ、この店はだいぶんと昔からあったからねぇ…』
ドラルクの口振りからこいつもこの店を知っていたようだ。
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