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    うさ@吸死

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    うさ@吸死

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    とあるアンティークの雑貨店が閉店するらしい。
    そんな張り紙を見ていると誰もいない筈の店内からピアノの音が。中にあったピアノが吸血鬼化していたようで、そのピアノが彼らに願いを言う。
    『最期に誰かに弾いてほしい』
    そんな願いを叶えるために小さな演奏会が始まるのだった。

    ※オリジナル吸血鬼がでます。
    ※オリジナル設定有

    #ロド
    rhodo

    星空に響くメロディー/ロド『あっ、ロナルドくん。ここ、閉店するんだって』
    夜のパトロール中に突然とあるお店の前で足を止めた吸血鬼…ドラルクが俺に向かって声をかける。その声に自分も足を止めて少しだけ進んだ道を戻ると、目に入ったのは【閉店のお知らせ】と書かれた一枚の張り紙だった。
    その店は薄暗く、中に飾ってある小さな壁掛けのライトが店内を照らしているだけで商品は買われていったのだろうか、殆ど見当たらなく殺風景になっていた。
    『…長い間ご愛顧いただき、まことにありがとうございました。勝手ながら、当店は八月いっぱいを持ちまして、閉店することとなりました。…閉まっちまうのか』
    『まぁ、この店はだいぶんと昔からあったからねぇ…』
    ドラルクの口振りからこいつもこの店を知っていたようだ。
    ここはアンティークの雑貨店で余り店を知らない俺ですら、兄貴や妹のヒマリと一緒に買い物に来ていた思い出の場所でもある。
    中もきらきらと美しい光を反射する硝子のグラスや可愛らしいふわふわのぬいぐるみ、女性が描かれた絵画が所狭しと並んでいたのを覚えている。
    そして、一番印象深く頭に残っている物があった。
    『…あのピアノもなくなっちゃうのかな』
    そう。ピアノである。
    張り紙がされた窓の隙間からチラリと中を覗き込むと真っ黒なピアノが変わらず静かにそこにあるのが見えた。
    『………』
    確か【ご自由にお弾きください。】と書かれた看板があっていろんな人が弾いていたっけ?
    俺はピアノなんか弾けないからいつも前を通って弾いている人をみるだけだったけれど…。
    そんな思い出に浸っていると、不意に店の中から【ポーン、ポーン】と音が聞こえた気がしたのだ。
    『ん?ドラ公?なんか聞こえねぇか?』
    『ん?…あ、見てロナルドくん!ピアノがっ!』
    【ポーン、ポーン】と鍵盤が音を鳴らすがその場には誰も居なくて、鍵盤がひとりでに押され音がなっているように見える。
    『ヒィお化け』
    キィ、キィと鍵盤が音を立て、それにあわせて名前も知らない曲が流れる。まるで自分で自身のピアノを弾いているような…
    『…あっ…吸血鬼の、気配だ』
    ポツリと隣に立つドラルクが言葉を零す。
    【吸血鬼の気配】
    と言うことはあのピアノが吸血鬼となってしまったということ。
    『……とりあえず、ギルドとVRC…に電話と店を開けてもらって…』
    ポケットに仕舞い込んだ携帯に指を滑らせ、ギルドの電話番号を出したあとコール音がするそれをドラルクに渡し後ろに下げる。
    少し心配そうに眉を下げたドラルクが耳に携帯を当てながらもしもし?と話し始めたから繋がったようだ。俺はそれを見てから胸元にあるガンホルダーに手を伸ばし、それのグリップを握り締めようとした。
    その時だ。
    『…その必要はありません。お入りください。
    退治人様、鍵は開いています』
    鳴り響いていたピアノがピタリと音を止め、静かな女性の様な声が俺に話しかけてきた。
    誰も居ないはずの店内で声をかけてくる相手。それはただ、店に一人いる吸血鬼。
    『どうぞ、お入りください。私は動けませんので』
    ピアノのそれであった。

    ✾✾✾

    少しだけ錆びついたドアベルは、カランカランと人が入ってきたという来店を知らせる音を鳴らす。
    埃っぽい店内は外から見た通り薄暗く、中の小さな壁掛けのライトだけしかない。
    女性のような声がしたからと言う意味で油断はできないし、するつもりは更々ない。
    警戒しながら銃を構え一歩足を踏み入れ、それにドラルクが後ろからついて中に入った瞬間、店内に眩しいぐらいの明かりが灯る。
    『うわっ』
    『眩しい!スナァ……』
    急に明るくなった部屋に目を閉じた。そして十秒…いや、そんなには経ってないだろうけれどソッと目を開けると、さっきまでの寂れた店内から昔来た時と変わらないほど美しい店内が俺達を迎えたのだった。
    『…ようこそはじめまして、同胞と退治人様。私はピアノのツクモ吸血鬼…フォルテとでもお呼びください』
    大きな店内の真ん中に飾られたピアノから声がしてパタパタと鍵盤の蓋が開閉するのが見える。
    キレイに見えた店内だったが少しだけホコリを被って白っぽくなったピアノと、【ご自由にお弾きください】の看板は外れて、そばに立て掛けられる様に落ちてしまっていた。
    『……ツクモ吸血鬼になったのか』
    近付きながらそう言葉を漏らすと、後ろから軽く頭を叩かれ、振り向いたら少しだけ眉をしかめ怒ったドラルクが目に入った。
    『ロナルドくん。レディに失礼だ。…はじめまして、同胞。私はドラルク…彼は…』
    『退治人ロナルドさん…ですね。存じております。昔から彼は私をよく見に来てくださっていたから』
    まるでクスクスと懐かしむように話すその言葉に俺は思わず目を見開く。
    あのピアノは弾いたことはもちろんない。
    むしろ、外から眺めることの方が多かったぐらいなのにこのピアノは俺を知っていると話したのだ。
    『あはは、新しく生まれた同胞すら彼を知っているとは』
    『うふふ、大きな瞳をきらきらさせて、まっすぐに私を見つめてくれた美しい人の子なんて…忘れられないわ』
    二人の吸血鬼は話がわからない俺を置いたまま、楽しそうに話を続ける。
    別にピアノに顔はないけれど、まるで懐かしそうに話すその声色に、思わず顔が熱くなるのを感じて帽子のツバを下げて顔を隠したのだった。

    ✾✾✾

    『で、同胞。なぜ私達を?』
    『あっ、そ、そうだ。俺達を招き入れたのはなんでだ?』
    懐かしむように昔話をしていた二人だが、ドラルクがそう話を切り吸血鬼…フォルテに問いかける。
    すると、彼女はゆっくりとしたメロディを奏でながらゆっくりと話しだした。
    『そうですね…。私、ツクモ吸血鬼になりましたけれど…この店が閉められ無くなるならば一緒に逝こうかと思いまして』
    そう言う彼女になぜ?と聞くのは無粋かもしれない。
    悪さをしない吸血鬼ならばVRCに保管してもらうことやピアノであればギルド…もしくはドラルクの爺さんとかに頼めば城にでも置いてくれるかもしれない。だが、その選択肢は彼女にはないようだ。
    『…この場所が私の身体であり、心臓であり、思い出だから。私はこの場所で朽ちたいの』
    『でも、ならどうして?』
    ならどうして俺達を呼び招いたのか。そんな疑問が浮かび彼女を見つめる。するとその視線に気がついたのかクスリと笑った気配がした。
    『…今日ね、偶々外を見たの。そしたら銀の絹糸のように美しく真っ赤な血潮の様な力強い人の子と、その傍を楽しげに歩く夜空の様に眩しい同胞を見てしまってね。私も最期に誰かといたいと…思ってしまったの』
    彼女はポツポツと話しだす。
    吸血鬼になった日。店は既に閉店に向け共に寄り添ったアンティークの硝子細工やぬいぐるみ、絵画たちが連れて帰られる姿を見送った。
    それらを連れ帰る人達の笑顔が眩しく、そして羨ましく思っていた所に俺達を見てそう思ってしまったと。そして、自分も最期に少しでいいから昔のように美しいメロディを奏でて欲しくなったと彼女は話したのだ。
    『ふむ…なら、ピアノを弾ける人を連れて来ようか?そうだね…漆黒の歌姫の最期の演奏会…というのはいかがかな?』
    ヒラリとマントを翻し、女性をエスコートする様に立ち振る舞うドラルクが優しくピアノを撫でてそう提案する。
    だが
    『…駄目なのですよ。同胞』
    彼女の口から溢れたのは諦めたような悲しい音だった。ぽろり、ぽろりとまるで泣いているような音が溢れる。
    『何故?』
    バタン!!
    急に閉まった鍵盤蓋の音にドラルクが砂になる。
    小さくすみませんと言った彼女は決心したのかそっと改めて鍵盤蓋を開いてこう言った。
    『…我が名は【吸血鬼、弾いた曲を現実にしてしまうピアノ】』
    『…なんだって?』
    『自身で弾くのは大丈夫なのです。でも、人の子や同胞が私を弾くとそれが現実に現れてしまうの』
    実を言うと店が閉店すると来てくれた人の子が、私を弾いて店の中が大変なことになったことがあるのよと彼女はいう。
    催眠の一種なのか何なのか。よくわからないまま考えようとした途端にドラルクに肩を叩かれた。ちらりと顔を見やると私に話をさせてくれ。
    そう言いたそうな視線を送ってきたから任せてやる事にする。
    『レディー、一曲よろしいかな?あぁ、タイトルがあるクラシックや意味がある曲は弾かないよ。そうだな…あぁ、五歳児のロナルド君は知ってるかな?チューリップって曲なんだけ…ブェー!!!!』
    『バカにしてんのか!殺すわ!!』
    思わず拳を叩きつけた俺は悪くない。何がチューリップだ。俺でもそれぐらい知っとるわ。そう思いながらいつもの調子で砂をこねてやる。
    『馬鹿か!!あえてチューリップの曲を選んでいるんだ!!考えろ!!』
    『……なる、ほど?』
    いや、別に曲を弾くならなんでもいいはずだろう。ちがうのか?チューリップでなく猫踏んじゃっただったか?とかこう、聞き覚えがあるような曲とか…。そう思っていたのがバレてるのかため息をつきながらドラルクは言葉を続ける。
    『…わかってないだろ、君…。例えばチューリップを弾いて本当にチューリップが咲くのであれば…彼女は強い催眠…いや周囲への影響の力がある事になる。それにチューリップであれば咲くぐらいなら害はないからね』
    『あっ、…なるほど』
    カタリと椅子を引いてそこに座ったドラルクが、優しく鍵盤に指を置く。ポーン、ポーンとよくわからないけど音が耳に心地いい。
    『ふむ、調律はご自身でできるのかな?美しいね…では、少しだけ、アレンジしながら弾いてみようか』
    ピアノの音を聞いた途端に楽しそうに話しだしたドラルクは細く長い指に少しだけ力をいれて… 音を奏でる。
    ド、レ、ミ…店に響くピアノの音色は俺が知っている【チューリップ】の曲とは少し違うがポップというかなんというか楽しく、踊りたくなるようなアップテンポのメロディに思わず体が揺れる。
    そんな時だった。
    ポン
    ポン、ポポン
    『んぉ』
    まるでポップコーンが弾けるような、風船が割れる様な…
    そんな音に慌てて辺りを見回すと床一面がチューリップ畑になっているのに気がついた。だがピアノを弾いているドラルクは気がついていないのか更にピアノを弾くテンポを上げていくのだ。
    『ドラ公!おい!!』
    『ふふ…あはは!楽しくなってきた!!』
    昔から聞き慣れたチューリップの曲だがアレンジが凄すぎてもう既に知ってるチューリップじゃないのだ。慌ただしく鍵盤を叩く指がいつものドラルクじゃないように見えて、俺は思わず握りしめた拳をこいつの身体に叩きつけたのだった。

    ✾✾✾

    『うぎゃぁぁあ!!何するか!!せっかく人が気持ちよく弾いていたというのに!!』
    ナスナスと人の姿に戻りながら鼻っ面を指で突かれる。テシテシと押し付けられる人差し指を思い切り握りしめながら砂にしてやると何するか馬鹿と眉をしかめられた。
    『うるせえ!!周り見やがれバカ!!』
    『ん?……おぉ、見事な花畑だな!』
    ようやく辺りの様子に気がついたドラルクはピアノを撫でて『弾かせてくれてありがとう』と鍵盤の蓋を閉めた。そしてゆっくりと俺の顔を見ながら少しだけ、眉を下げ困ったように笑いながらポツリと言葉を漏らす。
    『…彼女は、A級…いや、場合によってはS級に成り得るね』
    『………やはり、私は危険ですか?』
    あいつが言った言葉に静かにフォルテが呟く。催眠等がかかりにくい吸血鬼ですらこの有様なのだ。なんと話せばいいのかと思いあぐねいていると隣で見ていたドラルクが静かに笑う。
    『…じゃぁ…花の曲を弾けばこの店は美しい花畑になりますな?』
    さぁ、次は何を弾きましょうか!なんて楽しそうに話ながらそばではジョンが次は自分がやってみたいなんて椅子によじ登っている。小さな手で鍵盤を押してゆっくりだが【ちょうちょ】を弾き出して周りにひらひらと美しい色をした蝶が舞いだした。
    『ふふ…ジョン、上手。そう、上手い、上手い』
    『ヌー!ヌヌシイ!』
    一緒にピアノを弾くドラルクとジョンの二人は楽しそうだ。
    見渡す風景がどんどん変わり、カラフルなチューリップ畑に踊るように舞う蝶達がキラキラと光って美しい。
    『綺麗だな…』
    『当たり前だろう!私の可愛いジョンが弾いて出したんだぞ?』
    ふふんと、さも自分の事のように威張るドラルクを見て恥ずかしそうにしながらもジョンが笑った。
    そんな中、美しい色をした蝶達は天井へ舞い上がり消えていく。指先で触れようとしたらシャボン玉の様に弾けてしまったのだ。これは幻なのだ。このピアノは強い吸血鬼である。そう改めて、思い知らされるのだった。

    ✾✾✾

    『さぁ、次は君の番だよ』
    そう言いながら椅子から立ち上がったドラルクは俺の手を引いて、ピアノの前に立たせる。
    『ちょっ、お、俺はピアノなんか弾けねぇよ!』
    慌てたように離れようと手をついたら真っ白で真っ黒な鍵盤に触れる。軽く触れただけなのにそれは簡単に音が店内に響き渡った。
    『うぉ!?まっ』
    『ほらほら、小さい頃から見ていたピアノなのだろう?触れてご覧よ。怖くない、怖くないともさ』
    椅子に座らされ鍵盤に乗せた手にソッと長く細い指が添えられる。自分より体温が低い青白く赤い指。
    『……下手くそだぞ』
    『構わないとも。君は何を聞かせてくれるの?』
    ギシッと二人分の体重がかかった椅子が軋む。
    ドカリと真ん中に俺が座っているのに端っこにお尻を乗せて今か今かとドラルクは楽しげに俺にもたれ掛かった。
    『…………』
    スゥッと息を吸ってゆっくりと吐き出す。手袋は外してポケットにしまった。普段なら吸血鬼を素手で触るようなことはないだろうけれど、何故かこの真っ白で真っ黒な鍵盤に素手で触れたくなったのだ。
    指先にツルリとした感触に丁度いい位の負荷と調律された音。
    他のピアノとの違いなんざ俺にはわからないけれど…
    暖かかった。
    ゆっくり、ゆっくりと指に力を入れて鍵盤を鳴らすとポーン、ポーンと聞き慣れた音がして肩の力が抜けていく。
    『………君は、この曲を選ぶんだね』
    ド、ド、ソ、ソ、ラ、ラ、ソ
    ゆっくりと間違えないように指を動かして行くと、フォルテも楽しそうに演奏をしてくれているのか連弾をしている様に音が重なる。
    『ヌーヌーヌーヌーぬーぬーぬー』
    『おーそーらーのほーしーよー』
    曲に合わせながらジョンとドラルクが歌う。そう、【きらきら星】だ。俺が弾ける唯一の曲だった。
    美しいメロディーに乗せて、ちらりと店の天井を見上げると、満点の星空へと景色が変わっていくのがわかる。
    『ヌゥー!ヌヌイ…』
    ジョンとドラルクが目をキラキラさせながら空に手を伸ばす。山の中に居るような、余計な光は一切なく星だけが部屋の中を明るく照らしている。
    『…………これは、君の思い出の曲なんだね』
    きらきらと輝く星の中でドラルクが突然ある場所を見つめ、静かに俺の上着を握り締めておでこを背中に当てながらそう漏らして静かに口を閉じた。
    俺にはなんのことかさっぱりわからなかったけれど、俺の演奏はその言葉のあとに静かに終わったのだった。

    ✾✾✾

    『で、結局フォルテは…、朽ちたのか?』
    あの忘れられない夜から数日経ったある日。一枚の手紙が届いた。
    差出人はドラルクの祖父さんからだ。
    『あー、えーっとねぇ…』
    届いた手紙を読んだドラルクは困ったように笑いながら手紙を渡してくる。
    『読んでいいのか?』
    『…あぁ。多分、君が知りたいことが書いてあるよ』
    そう話され渡された手紙に目を通す。達筆な文字が並ぶ中、多分俺が読む事も配慮してなのか日本語で書かれていた。
    『えーと、【ハローエブリワン……】』

    【ハローエブリワン。ご機嫌いかが?あのピアノは気に入ったから店ごと買い取っちゃいました。
    あの店は私にも思い出があるからね。あ、ドラルク、久々にピアノ発表会でもしようと思うんだけどどうかな?是非彼も連れておいで。じゃぁね】

    『………て、ことは』
    ギギギと音を立てながら首を回してドラルクを見ると方を竦め笑いながら話す。
    『…多分彼女、新しくなった店にいると思うよ』
    とりあえず居なくなった訳じゃないならいいかなと思いながら、そういえばドラルクがあの日に『思い出の曲』といった意味を聞いていなかったことを思い出す。
    『完全にお別れかと思ってたけど、そうじゃないならよかった…。あ、そういやお前思い出の曲とか言ってたけどよくわかったな』
    『……あぁ、幼い君と妹君が見えたからね。小さなブリキのピアノ…弾いてあげてただろう?』
    満点の星空に二人の姿が見えたとコイツは話す。
    可愛らしい音を奏でながら笑いあい兄の帰りを待っていた二人の兄妹。下手くそながらも楽しそうに歌いながら夜を過ごしていたのが見えたと、コイツは言いながら軽く指でテーブルを叩いた。
    『…ねぇ、ロナルドくん』
    『なんだよ』
    きらきら光る。
    テーブルを叩く指がピアノを弾くようにタン、タンと音を鳴らす。指の動きしかないけれど、多分こいつが弾いているのはあの日の曲。
    『なぁ、次は本物の星空…見に行くか?あ、明日とか』
    頬を掻きぶっきらぼうにしか言えない言葉に、少しだけ目を丸くした吸血鬼が笑いだす。
    『あはは!週末とか言えないのかね!…いいよ見に行こうか、満点の星空!』
    楽しそうに笑う吸血鬼にまた新しい思い出が増えるな…なんて、俺はクスリと笑って車のレンタルや星空がきれいな場所を検索するのであった。
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