『ある男の愛の話をしよう』 妖精国での出来事から間もなく、その男は呼び出された。
カルデアのマスター、藤丸立香という少女のサーヴァントとして。
妖精王オベロンという名と、ブリテンを破滅に導く終末装置としての名、ヴォーディガーン。
その2つの名と、世界すらも欺ける特殊なクラス、プリテンダーという霊基を持って、彼は呼び出された。
人理が安定するまで、嘘も嘘のまま通ってしまうようで。
立香に出会った時、口にした「汎人類史のサーヴァント」というオベロンの嘘が、そのまま通ってしまった。らしい。
とはいえ、カルデアの召喚式は、呼び出すものだけでなく、呼び出されるものの同意がなければ、成立しない。
つまり、立香だけでなく、オベロンもこの召喚に同意したという事にほかならないのだが……。
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