シンメ秋のハグ祭り暗い倉庫の中、二人の男が対峙している。
「テメェ、いい加減にしろよ…!」
「こっちのセリフだ大馬鹿野郎!」
白いカッターシャツはビリビリに破れ、髪を乱した二人が胸ぐらを掴み、睨み合っている。
口元やこめかみに青痣、乾いた血液が付着し、頬には土埃が黒く付着していた。
「どうしても行くってんなら、俺を殺してから行けよ…あんな組織の言いなりになる必要なんかねえだろ、目ぇ覚ませ」
「てめえに関係ねえっつってんだよ。俺が決めた人生だ、誰にも指図は受けねえ」
「こンの…分からず屋が!!」
バキィ、と頬骨が抉れる音がする。
ふらふらになりながら、出口を目指す男に、しがみつくもう一人の青年。
互いのプライドを賭けて、引くに引けない状況の中、割れた窓から差し込む小さな赤い光。
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