旧東隊、パーティーに参加してくれ 正気か? というのが今回与えられた任務に対しての、東の正直な感想である。
数年前からボーダーの管理や経営に片足を突っ込んでいた東は、当然ボーダーを外から――金銭的に――支える出資者たちの大切さを知っている。だから、とくに面白みのない懇親会やらパーティーやらに自分を含めた大人たちが駆り出されることは、仕方がないと割り切っていた。
しかし今回、政界やら企業の重鎮やらが集まったパーティーのボーダー側参加者名簿には、見慣れた、しかしこの場ではまったく見たくなかった名前が東の後に連なっている。
加古望、月見蓮、二宮匡貴、三輪秀次。
東がかつて率いた第一部隊の面々、いわゆる旧東隊メンバーである。
「第一線で活躍する戦闘員も見たい、というのが先方の意向でね」
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