高校生パロ「やれるものならやってみろ」
谷裂は口元を隠すようにフェイスタオルを広げ、木舌を挑発する様に笑った。
同じクラスの木舌は同性異性関係なく仲が良い奴には何かとチュッチュしたい、と言うようなやつだった。
その日、谷裂自身が標的にされていたのでしびれを切らした谷裂は我慢しきれずそう言った。
「…やっても良いの」
「だからそう言っている」
「本当に」
きょとんとした顔で何度も確認をしてくる木舌に呆れ顔の谷裂がタオルをぴん、と引っ張りながらくどいと一喝する。
「タオルを引っ張ってるんだ。お前に出来っこないだろう」
「う…うーん…。じゃあ、文句言わないでね」
どうせはね返るに違いない。
そんなイメージを信じて疑わない谷裂に先手を打つ様に木舌は告げる。
一瞬にして視界が暗転し同時に唇に柔らかい感触を感じた谷裂は漫画のように固まっていて、対する木舌はごちそうさまでした、なんて笑いながら自分の席へと帰っていった。
「帰りのHR始めるぞー」
そう言いながら主任がゆっくりと教卓に立つ。
クラスメイトがバラバラに立ち上がるのを真似る様に立ち上がる谷裂の頬はほんのり赤に染まっていた。