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    sksaka3

    20↑/左右固定/ハピエン厨/単行本派
    ※リクエストはお受けできませんごめんなさい!

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    POIPOI 32

    sksaka3

    DONE訳ありのハサアオ3

    ご飯食べてるだけなので訳あり要素はほとんどありません、そして無駄に長い
    良くないモブが出ます
    #3 食生活改善編「ハッサクさん、これ持っていってください」

    朝の日課である珈琲を飲み終えジャケットを羽織ったハッサクに差し出されたのは、両手で収まるほどの小包だった。見慣れないミントグリーンの布に包まれたそれは、重くもなくかと言って軽くもない重量で、受け取ると僅かにかちゃりと音が鳴った。

    「……もしかして、お弁当を作ってくれたのですか?」
    「はい」

    ギリギリまで寝たがるアオキが今日はやけに早起きだなとハッサクは感じていた。キッチンから聞こえる小気味の良い音と香りに食欲旺盛な彼のことだ、朝から何か食べたいものがあったに違いないとてっきり自分用の朝食を作っているものだと思っていたが、自分用の朝食どころか恋人の昼食を作っていたらしい。アオキと付き合うまであまり料理をして来なかったハッサクに対して、アオキは長い独り身生活と食事への拘りのおかげか手の込んだものでなければ一通りの調理はこなすことができる。家で食事を共にする際には、お互いにその腕を振るうこともあった。しかしアオキが早起きしてまで弁当を作ったことなど一度もない。ハッサクがランチボックス一式を自宅に置いているはずもないため、これもアオキが自ら選んできてくれたものだ。感極まったハッサクがうぼおい!と大声をあげると、朝からやめてくださいとげんなりした声が返ってきたが許してほしい。一頻り泣くとようやく落ち着いたのか、ぐしぐしと赤い目元を擦った。
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