魔術少女⭐︎ル・フェ 第n話「キスではじまるなんとやら」 それは、師にしてパートナーの彼から言われた言葉。
「いつか、君が運命のヒトと出逢う時――君の中に眠っている力は目醒めるよ」
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「これで終わりだ! えーい!」
アルトリアは魔術で強化した杖を大きく振りかぶった。そしてそれをまっすぐに降ろすと、ソレ(・・)は呻き声を上げて消滅していった。
「ふう……」
「お疲れ様、アルトリア! 無事にあるべきところに戻ったのを確認したよ」
変身を解いてひと息つくと、ふわふわの蚕に乗ったふわふわの妖精王が、近づいてきた。
「よかったー! ありがとうございます、オベロン。それにブランカも」
「いやあ、君のパートナー兼お助け妖精として、これくらいは当然だろう?」
ゴーグルを上げてぱちりとウインクをしてみせる彼は、やはり最高にうさんくさい。まあ、なんだかんだ信頼しているのだけど。
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