Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    おかわり

    @secondudon

    トシさん周辺を節操なく。
    ハジトシ中心。
    【pixiv】https://www.pixiv.net/users/8672313

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉
    POIPOI 26

    おかわり

    ☆quiet follow

    [ハジ→トシ] アプローチ開始1ヶ月後くらい。
    トシさんとシンパチくんの雑談。
    個人サイト全盛期のSSみたいな軽やか仕上げ。

    ##ハジトシ

    ごちそうさん「最近、斎藤はおかしくねぇか」
    「おかしい……と申しますと?」
    はて、という表情を作りながら蕎麦を啜る。一緒に昼飯でも食いにいかねぇかと誘われた時点でおおよそ予想していたが、直球であることが多い土方が遠回しに話題を切り出したので確信に変わった。
    「……うまく言えねぇんだが、前ほど荒々しくないというか、大人しいというか。身体の調子でも悪いのか?」
    「そうですかね?相変わらず馬鹿で騒がしくて元気ですよ、ハジメちゃんは」
    「いや馬鹿は馬鹿だしうるせぇときもあるんだが……妙に落ち着いた表情してる時、あるじゃねぇか。身体の不調ってわけじゃねぇなら悩み事とか、なにか聞いてねぇか永倉」
    ようやく土方が蕎麦とセットの天ぷらに箸をつけて、さくさくと咀嚼し始めた。土方としては僕に探りを入れるのが目的で、食事は外へ誘う口実に過ぎなかったろうからあまり腹を空かせていないのかもしれない。けれど揚げたての天ぷらが冷めてしまうのを見るのは心苦しかったから、促す前に食べ始めてくれてよかった。気が散っていたが、ようやくこの話を面白がれる。
    「悩み事ねぇ……まぁハジメちゃん考えることそのまま口から出ちゃうタイプじゃないですか?だから抱え込んだりとかは心配しなくていいと思いますけど。あ、そういや最近、あまり朝帰りしてませんね」
    「そうなのか?」
    「もう廓には行ってないらしいんです」
    「へぇ、あんなに通ってたのにな」
    「お財布事情かな?」
    「借金とかしてねぇだろうな」
    「取り立てる側でしたからね、恐ろしさ知ってるのにそこに手ぇ出すほど阿保ではないでしょ」
    「そうか」
    「まぁなんで行ってないか、僕は理由知ってるんですけど」
    「ふぅん」
    土方が興味無さそうにそっけない相槌を打つ。再びサクッと音を鳴らして大葉の天ぷらを口に含ませて、出汁を啜る蕎麦も気づいたら半分ほどになっていた。そういえば食べるのが速い男だった。一緒に食事なんて久しぶりで忘れていた。
    「なんでまたハジメちゃんのことをそんなに気にかけてるんですか?」
    「いや……様子が変わったなって感じる奴は、裏で変なことやってたり、組から出ていこうとしてたりするからな。念のため聞いてみただけだ」
    「ハジメちゃんがもし裏切ろうとしたら、密かに上手にやるでしょ。あんなんですけど、仕事は一応できるじゃないですか」
    「あんなんだけどな」
    「土方さんだって分かってるじゃないですか」
    先に蕎麦も天ぷらも食べ終えた土方が、ゆっくり食っていいぞと気遣いながら、食後の茶を味わっている。いつもの傾向だと、先に外に出て一服するところだけど、まだ聞きたいことがあるのだろう。空になった蕎麦の椀に視線を向けたまま、切り出し方を考えているようだ。斎藤と同じくよく喋る自覚がある自分が助け舟をだしてやるべきだろうか。
    「さっき」
    「あぁ」
    「妙に落ち着いた表情って、言ったじゃないですか」
    「おう」
    「僕、見たことないなぁて思って」
    「永倉といる時はいつも楽しそうだよな」
    「ふふ、土方さんからそんな風に見えてるんですね僕達。そうですね、確かに。落ち着くような相手じゃないし」
    「……落ち着いた表情って、そういう意味合いじゃねぇぞ」
    「ほう。なら、どんな顔ですか?」
    「どんな……なんつぅか、さっきお前も言ってたろ?考えたことが口からすぐ出ちまうタイプだって。けど、なんか考えてんだよ、黙って。目が合ったら静かに笑うんだよ。なんなんだあの顔」
    「へぇ〜、やっぱ見たことないや」
    「だろ。最近のアイツは特に妙で、」
    「好きな人と一緒だからですかね」
    お下げしまぁす、と店員が空になった膳を下げていく。テーブルに残された熱いお茶をふぅふぅと冷ましながら、湯気越しに土方の顔を伺う。あ、固まってる。赤くなったり大きい声出したりして狼狽えるかなぁと期待していたので少し残念だ。この様子だと、斎藤はもう気持ちを伝えているかもしれない。それで、アイツ変な薬でも飲んだのか?いたずらか?頭でもぶつけたか?と疑って、一番親しそうな僕を頼ってきたのだろう。けれどいくら回りくどいことが嫌いな土方でも、斎藤に告白されて動揺している、なんて明け透けな恋愛相談を部下にできなかったようだ。けどこうやって探りを入れているということは、もしや。
    「たぶん、エッチなことしてぇなぁて考えてる顔ですよ」
    「ん、なわけ、あるか!」
    赤くなって狼狽えた土方が見れて満足したので、ご馳走様でーす、といそいそと席を立って暖簾を潜った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏👏👏💯👍☺🙏💴💴💴
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works