あの頃、僕たちはいつも一緒にいた。
教室でも寮でも任務先でも、大抵側にいる。二人きりではないことはあっても離れていることは結構珍しくて、特に一年の頃は一つ上の先輩たちから「お前らほんといつも一緒にいるよな」とよく言われたものだ。
賑やかなことが好きな僕とは違って、七海は静かな空間や時間を好む。それでも、僕らはいつも一緒に過ごしていた。
僕が持ってきたゲームに七海が付き合ってくれることもあれば、七海がおすすめしてくれた本を七海の隣で黙々と読むこともあった。同じ部屋にいるのに全く別々のことをしている時もよくあって、お互いの気配がすぐ側にあることが、当たり前のようになっていたのだと思う。
二年に上がりお互い別の人と任務に行くようになったり単独任務が入るようになると、少しずつ離れている時間が増えていった。
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