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    namu_eo_

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    namu_eo_

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    『時は戻らない。絶対に』の後日端的なのです(二回目)題名をダブルパンチしていましたので上げ直しです・・・

    #まほかん
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    『借りてきた猫』エリーが来てからかなり経った。エリーは、エリスじゃない。分かってても、理解出来ない。約束は?どうなるの?私には…って、考えても、意味、無い。エリスは、死んだんだ。‘’あーなってる‘’ってことは、確実に、死んだのか。諦めるしか、ないの?─いや、まだ手は…

    「イスカ?大丈夫?」

    声をした方を見ると、私のベッドの横に、手をちょこんと乗せて、チサトがしゃがんでいた。

    「うん…あ、チサトの方も、大丈夫だったの?」
    「何が?」

    チサトはキョトンとした。あぁ、そういえば。と、チサトの代償は[忘れやすい]という事を思い出す。

    「うんん、何でも無いよ」
    「…‘’何でも‘’、では無いんじゃないの?」

    核心を突いて来たチサトに恐怖を覚える。本当に、12歳なのか?って。チサトに隠し事は出来ない。あの小林でさえ、たまに意表を突かれるのだ。(あんまし分かんなかったけど)

    「…や、‘’忘れるほどの記憶‘’って、何なのかな、って」
    「…そんなの、皆同じ事言うと思うな。─イスカには、無いの?」

    忘れるほどの記憶。それは…

    「分からないよ、チサト」
    「…イスカは、良いことしか、無かったの?」
    「それは無いよ、ここに居る子達は皆…あ、」

    チサトは、明らかに子供ではない、‘’大人‘’な笑い方をした。

    「そ、忘れる…忘れたい─消したい記憶なんて、そんなもんなんだよ」

    じゃあ、エリスが忘れたのは…

    「…過去に囚われちゃ、未来に進めないよ?」

    …なんだろう。チサトは、自分に言い聞かせるみたいに言った様に、聞こえた。

    「─大事なのは、今。享楽なんかじゃないけどさ、勿体無いじゃん?」

    勿体無い…考えた事もなかった。

    「…ボクには‘’ここまで‘’しか言えないなぁ…」
    「チサト?‘’ここまで‘’って…チサト一体どこまで…」

    ふ、とチサトは先程の様に笑って、目を逸らした。…かと、思えば、ぐぅ~、と、お腹を鳴らした。

    「ん、お腹空いたや…ドーナツでもつくろうかな?要る?イスカ?」

    …さっきとはうって変わったチサトに、気が、抜けてしまった。

    「あれ?材料は?」
    「…あー」

    キョロキョロと、チサトは周りに誰も居ない事を、(…他にも探してる?)確認した。

    「内緒だよ?…たまーに抜け出して、買い出しに行ってる…」

    抜け出して…ふふ、と笑ってしまった。

    「うん─やっぱり、そっちの方がいいよ、イスカ。…じゃ、つくってくるね。できたらイスカ呼んで、皆も呼ぶ─いや、小林に持ってってもらった方がいい?」

    …??!!

    「皆で食べるよ?!」
    「あはは、了解。…チョコはボクが好きだからあるけど、何か欲しいのあったりする?…って、イスカはザクロが好きだっけ?」
    「あれ?よく覚えてたね」
    「皆の料理メモみたいなのは暗唱できちゃうから」
    「すごいや…」
    「ん、ジャム…より、もうちょい固形状の…」
    「ペースト?」
    「そうそう!」
    「楽しみにしてるね」

    と言うとチサトは、

    「あいあいさ!」

    と、敬礼して、そそくさと走っていった。
    …ていうか、あれ?猫がチョコ好きって…確か、前にも百合が好きだって言ってたっけ?…ま、本人の自由だし、いっか。
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