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    yuki_yuki0208

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    yuki_yuki0208

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    捏造多数
    友情出演でオズ、フィガロ、シャイロック、真ムル、ほんのりチレッタとミスラがいます

    ホワイトが死んだ日ホワイトが死んだ日

    「深緑のケープが良いのう!」
    二つの声が重なる。それは当たり前のことであって、お互いに顔を見合わせてはニッコリと笑みを浮かべた。
    何をするにも、何処へいくにも二人。同じ夢を見る二人は、当然同じ考えを持っている。
     この日は、弟子であるオズのヤンチャを止めた時に僅かに破けた上着をみて思いついたことだ。当然魔法で直せるが、それをしなかったのは長らく着ていて飽きてしまっていたから。
    スノウとホワイトは床で倒れるオズをよそに、何が良いかな? と首を捻った末に導きだされたのが冒頭の言葉。息ピッタリの二人は見ていていっそ清々しいほど気持ちがいい。
    「<ノスコムニア>」
    再び重なった声と共に二人の肩には質のいいケープが被さる。別にこのままでも良かったが、二人の利点である可愛らしさを演出するためには何かが足りない。互いに互いの姿をまじまじと見る様は鏡の中の自分を見ているようだった。
    「あっ」
    また、重なる。
    きっちりと、一寸の狂いもなく、同じタイミングでお互いの胸元には同じ色のリボンが巻かれた。
    「うむ、これで完璧じゃ!」
    「キュートな我らの完成じゃ!」
    「「きゃっきゃっ!」」
    無邪気にはしゃぐ子供の姿は見ていて微笑ましいが、恐ろしい正体を知っているオズから見れば何とも言えない気持ちにさせられる。オズは短く息を吐いて自身に治癒魔法をかけた。
     飽き飽きするほど見慣れたこの光景が、もう見れなくなることを、この時はまだ知らなかった。



     その日は年に一度やってくる厄災を追い返す日だった。いつも通り賢者の魔法使いが集まり一晩飲んで食べて、時が来れば役目を実行するだけ。双子も毎年面倒だとは思うが久しく会っていない者に会える日ということで、ほんの少し楽しみにしていた。
    だが今年の双子は眉間に大層立派な皺が刻まれていた。
    「どうしたんですか?」
    フィガロが怖気づくことなく問う。すると、愚痴を聞いてほしい女子のように「聞いてよ~」と猫なで声と、おまけに涙目でフィガロへと腕を伸ばした。この瞬間フィガロは声をかけた事を後悔した。
    「最近オズちゃんが反抗期でさ~」
    「我らのことちょーっと舐めてる気がするんだよね~」
    「はは、いつもの事じゃないですか」
    「むむむ……!」
    空笑いを浮かべながら言われた言葉にスノウとホワイトは頬を膨らませた。何百年と年下の者に舐められるなんて事、二人には我慢ならない事だった。
    「そういうフィガロちゃんも、最近反抗的だよね~」
    「これはそろそろ我らの力を見せつけといたほうがいいよね~」
    ジトリとした四つの瞳を向けられたフィガロは、ああ、と思う。
    「もしかして、それで俺たちをこんなところまで連れてきたんですか?」
    何も言葉を発しないが、双子より十歩ほど遠いところにはオズがいる。賢者の魔法使いでもない二人を強制的に連れてきた双子の目的はこれだった。
    「せいか~い! そこで黙ってみておるが良い。お主らの師匠のカッコよくて凄くて強いところをのう」
    そうしてスノウとホワイトは箒も使わず空へと飛んだ。口元には微笑みを携えて。



     新酒の歓楽街にあるベネットの酒場。そこの店主であるシャイロックは、来店を知らせるベルで顔をあげた。
    「いらっしゃいませ。そろそろ来る頃だろうと思っていましたよ」
    スノウとホワイトは柔和な笑みを浮かべる。
    ここは魔法使いの憩いの場。気性の荒い者も、性格に難がある者でもここでは大人しく酒を楽しんでいる。それは一重に穏やかな雰囲気を醸し出すシャイロックと、落ち着いた内装によるものだ。
    店主の趣味で集められた質のいいアンティーク。店内では穏やかなBGMが流れており、良質な空間とはまさにこのような所で、魔法使い達はこの場にいる時だけは日々の闘争を忘れられる。
    そのため足繁く通う者も多く、カウンターに脚を組んで座るムルはこの店の常連客の一人だ。
    「久しいのうシャイロック、ムル」
    「何年ぶりじゃ?」
    「五十年ぶりですね」
    「おお、なんじゃそんなものか」
    スノウがムルの横に座り、ホワイトはスノウの左側へと腰を降ろした。
    「俺の愛しい厄災を追い返した時の事を教えてくれないか?」
    「お主は相変わらずじゃのう」
    「挨拶のひとつくらいしたらどうじゃ」
    「つまらない定型文を聞くよりスノウとホワイトは話したいはずさ。称賛の言葉を二週間浴び続けて気が良くなったからここに来たんだろう」
    言い切ったムルは絶対の確信をもっていた。
     二週間前、本当に二人で厄災を追い返した双子には畏怖と尊敬と称賛の言葉がかけられた。それに満更ではない心持になったから酒が苦手なくせに、それを売るこの酒場に来た。ここには気が済むまで話を聞いてくれる寛大な店主が居ることを双子はよく知っていたからだ。
    「まあねー」
    「聞いてくれるなら誰でもいいんだけどねー」
    少し不貞腐れたように頬杖をついた二人は面白くなさそうに声のトーンを落とした。何もか見透かされた気分にさせられるムルという男は油断ならない者だった。
    「どうぞ」
    スノウとホワイトの目の前にエルダーフラワーソーダが置かれる。パァっと顔が明るくなった。それはスノウの目の前にある小さな鏡が写し出してくれていた。
    双子がさっそくそれに口をつける。満足そうに笑みを浮かべ美味しい、とシャイロックに礼を告げる。
    ホワイトはその味を痛く気にいりシャイロックへと話しかける。
    「そういえば――」
    ムルの口が動く。辛口の度数の高い酒を飲み干しても顔色ひとつ変わることのない様はスノウには一生真似出来ない事だった。
    「ちょっと前にチレッタが弟子をとったらしいよ。独りで生きてて自分が魔法使いだとも知らない子供をさ」
    「あ〜知ってる知ってる。自慢しに我の所へ来よったわ。『どうすっごくカッコイイと思わない〜?』って」
    少し声を高くして真似たスノウは機嫌が良い。美味しいドリンクのおかげか、当時の事を思い出したおかげか。
    他愛もない会話。横ではホワイトが饒舌なシャイロックにのせられ、これまた機嫌よく話している。
    「スノウはさ――」
    今日はいつもよりよく喋るな。そんな事を思いつつスノウはムルへと視線を向けた。
    「その子供よりも俺よりも遥かに長く生きているくせに、死ぬまで一生孤独を経験しない事に疑問を持たないのか?」
    カラン、とグラスの中の氷が音を立てる。静かな水面に石を投げられたように、スノウの心は気持ち悪いほどにざわめいた。
    「……」
    「……スノウ?」
    ホワイトが心配そうにスノウを覗き見る。大方、隣から声が聞こえなくなったことに疑問を抱いたのだろう。
    スノウはのぞき込まれたホワイトの瞳が眩しいほどに純粋で、つい目を背けたくなる衝動に駆られた。
    「っああ、すまんぼーっとしておった」
    ほほほ。
    沈黙が落ちる。
    慌てて取り繕った笑顔は、少なくとも察し良いこの場にいる三人はすぐに分かるほど下手なものだった。
    スノウは短く息を吐き出し、心の中で渦巻く得体の知れない恐怖をソーダで嚥下した。
    グラスを置いた時、ふと目の前にある鏡に目がいった。その瞬間後悔した。鏡なんて見なければよかった、と。
    ――鏡の中のスノウの瞳は、ホワイトとは比べられないほど濁って見えたのだから。



    歯車なんてものは、一度ズレてしまえば合わなくなるもので、スノウとホワイトという二つの歯車も、この長い年月で本当に少しづつ狂いだした。ムルの言葉はただのキッカケでしかなかったのだ。
    スノウの心の中ではわだかまりが残ったままだった。ムルの言葉を聞いてからそれなりに日が経つが、スノウの中では重石のようにそれが残る。
    ――孤独とはどんなものだろうか?
    数千年生きているくせ、そんな事など知らない。世界の何もかもを知ったつもりでいたが、孤独というものをスノウは経験した事がなかった。
    それはそうだ。隣りにはいつもホワイトがいたのだから、独りになる事など、一度だって無かった。
    「スノウ、最近変じゃぞ? 酒場に行った時からじゃ」
    二人の館。二人だけの館で、お揃いの服を着てお揃いのカップを持ち、同じものを飲む。

    「………………」
    「スノウどうしたんじゃ、ほんとうに」
    スノウは何度か口をはくはくさせ、一度強く唇を噛んで、ようやく話し出した。
    「……ムルに言われたんじゃ。孤独とは、どんなものじゃろうな」
    「……っ孤独? まさかそんなものに囚われているのか?」
    スノウは小さく首を縦に振る。チラリとホワイトへ視線を向ければ大きな瞳には透明な膜が張り出し、全身が怒りでワナワナと震えていた。
    「何を馬鹿な事を言っておるのじゃ! 孤独なぞ知らん方がよいに決まっておる!」
    怒り、悲しみ、戸惑い。全ての感情が乗せて放たれた言葉だったが、それでも、夢想しているスノウの心には届かなかった。
    「我らは誰よりも長く生きておるのに孤独を知らぬ。我は、孤独がどんなものじゃったか知りたいし、お主に教えたいんじゃ……!」
    「余計な世話じゃ、そんなもの知りとうないっ! なぜ分からん? 今が一等幸せなことに、オズとフィガロの所へたまに行き、年に一回厄災を追い返して、あとは自由に二人で生きる事がどれほど幸せか。スノウも今に満足しておるじゃろう……?」
    「ああ、ああ。満足じゃ、満足じゃった。だが、知りたいことが出来てしもうた」
    「っ、このわからず屋! その愚かな考え絶対改めさせてやる、何日でも何ヶ月でも何年かかっても、絶対にじゃ!」



    「スノウちゃーん一緒にステンドグラス作ろー! 一人じゃと楽しくないじゃろ?」
    屋敷で問いかける。スノウは困ったように眉を落とした。
    「スノウよ、今からお茶会をしよう! 一人では茶会など出来ぬじゃろ?」
    中庭で問いかける。スノウは首を振った。
    「お母さま、お父さま、我とスノウで食べる食事はなんと美味しいんじゃろうな。そう思わんかスノウよ」
    リビングで問いかける。その時スノウは独りで食べる食事の味の事を考えていた。
    何十、何百と問いかけ続けた。ひとりだと出来ない事が、経験出来ない幸福が沢山あるという事を分からせるため。それでもスノウは夢想から帰ってはこない。いつだってどこかに視線を向けていた。
    それがホワイトにとっては一番辛かった。
    ――一体いつから視線が合わさっていないんだろうか?

     氷の森。二人分の足跡が雪の上についていく。
    「こうして手を繋いで歩くことだってひとりじゃ出来ん。道中変わったものに出会っても。珍妙な体験をしても、その気持ちを分かち合うことは出来んのじゃ」
    「…………」
    ホワイトはカッとなり握っていた手を振りほどいた。
    スノウはそのことに多少なりとも驚き反射的にホワイトを見遣る。
    「っこの大馬鹿者! 悠久の時を共に過ごしてそなたがこれほどまでに愚か者だとはのう! 我はそなたがこの世で一番大事だというのに……」
    「…………」
     久しぶりに見たホワイトは痩せていた。それもそうだ。毎日毎日心をすり減らし、それでもいつか分かってくれると必死に説得を続けたからだ。
    ――スノウはそれが哀れで憐れで仕方がなかった。どう転んでも、どんな言葉をかけられても、心変わりなどしないと分かっているからだ。
    「もうよい。ホワイトと話すことなど何もない。今まですまんかった、我はもう行く。ついてこないでくれ」
    埒が明かないと思ったのだ。このままでは平行線だと。それならばいっそのこと独りで旅に出て落ち着いたころにホワイトの元へ帰ればいい。そんな程度の気持ちだった。
    「――、して――し……」
    今まで聞いたことがないか細い声だった。ホワイトじゃない別の誰かが背後にいるのかと思ってしまうほどの、今にも消えてしまいそうな、そんな声だ。
    スノウはホワイトへと向き直った。
    「ホワイ……ト?」
    華奢な肩を震わせ、俯いた顔が持ち上がる。
    唇を震わせ大粒の涙を流しながらホワイトはハッキリと告げた。
     「スノウを殺して我もしぬ!――<ノスコムニア>!」
    瞬間、スノウの右肩に激痛が走る。
    「っぐ、!」
    今までの戦闘経験で培った生存本能のお陰か、ホワイトがわざと外したのかは分からないが右肩だけで済んだのは幸運だった。
    咄嗟にホワイトと距離を取るが、その甲斐空しくあっという間に詰められる。
    「<ノスコムニア>!」
    スノウなどすっぽりと覆える無数の火の玉が弾丸のように放たれる。
    「っ!<ノスコムニア>」
    反撃するように巨大な氷の刃を無数に出現させ、放つ。
    二つの巨大な魔法が衝突した瞬間、激しい爆発が起き二人の半径数十メートルの森は消滅した。
    「何を血迷ったことを……!」
    「血迷ったことをしておるのはそなたじゃ! このままスノウと離れるくらいならあの世に行ったほうがまだマシじゃ!」
    ――我は本気じゃ
    ホワイトはそう呟くとスノウへと襲い掛かった。
    巨大な魔法を放ち、自身を魔物へと変化させ、大地を割り、変形させ、天候も荒れた。様々な生態系が乱れ絶滅した魔物が十五に及んだ戦いは三日三晩続いた。

     皮肉なことに、着る服も、思考も、夢も。何もかもが同じだった双子は魔力量も同じだったため、戦いには中々決着がつかなかった。
    決め手となったのはホワイトの体力が戦う前からかなり限界がきていた事だった。食事も禄に喉を通らなかったホワイトはスノウよりも体力が続かず集中力も途切れ途切れだった。
    莫大な魔法を放つにはそれ相応の魔力と集中力が必要不可欠だ。
    スノウが放った蒼い炎を防ぐほどのそれらを、ホワイトはもう持ち合わせてはいなかった。
    「しまっ!」
    スノウは戦いに集中していてその事に気づいたのはホワイトの体に炎が届く寸前だった。
    炎の先、スノウと同じ目と視線が絡まる。
    ――やっと、目があった。
    「っホワイト!!」
    全身炎を纏って落下したホワイトを追う。ホワイトが雪に叩きつけられ白い粉が舞う。
    ホワイトのすぐ側へ降り立ったスノウは、熱い体を抱き上げた。
    「ッホワイト! しっかりするんじゃ!」
    ゆるゆると緩慢な動きで瞼が持ち上がる。
    唇と唇が焼けたせいでくっ付いて離れない。ホワイトはそれを無理に剥がした。血が流れる。
    「す、のう」
    「ホワイト喋らんでよい、今治癒魔法を……?」
    スノウはそこで気づいた。自分も満身創痍なことに。治癒魔法は愚かもう一度飛ぶことさえ出来るかどうかの魔力しか残ってはいない事に。
    「もう、よい。いいんじゃ、バチがあたったんじゃ……」
    「なにを馬鹿なことをっ!」
    「われが、スノウを殺そうと、したから」
    熱かったはずのホワイトの温度がぐんぐんと下がっていく。決して北の国にいるからでも、雪に体の一部が付いているからでもない。
    スノウはホワイトの手を握る。振りほどかれることはない。そんな力も、ない。
    ――ホワイトの手は氷のように冷たかった。
    「ちがうっ、ホワイトは悪くない、我が、われが……っ!」
    ホワイトはほんの少しだけ手に力を入れる。一粒の涙を零して、微笑んだ。

    「われは、すのうが、いちばん、た――……」

    動かない。
    瞬きがない。
    唇が動かない。
    心臓が、動かない。
    「……ほわいと?」
    スノウは膝の上にホワイトの頭を置いてペタペタと顔を両手で触る。スノウの指先から体温が奪われる。冷たかった。
    顔も、手も、体全体が陶器のように温度を持っていなかった。
    「っや、じゃ、……」
    スノウの瞳からひとつ。ふたつ。涙が溢れればドンドンと流れ出ては止まらない。止められない。
    「いやじゃっ我がわるかっ、た……ひっ、く、わぁああん! 死ぬなほわいと! こわい、こわい、ひとりは、こわ……いっ」
    スノウはわんわんと子供のように泣いた。ホワイトの亡骸にしがみついて、服を濡らして。
    スノウの頭の中では今まで幾千年と過ごした家族との思い出がよみがえっては、消えていく。思い出したところで、もうここから先、二人で織り成す思い出など出来ないのだから。
    スノウは心の底から願った。神でも悪魔でもなんでもいい。今残るありったけの魔力を込めた。ホワイトがどこにも逝かないように。
    ――魔法という奇跡を信じて。

    ホワイトの胸元で未だに泣き続けるスノウは、最早時間の感覚などなかった。あれからどのくらいの時間が経ったのだろうか。数時間か、数ヶ月か。はたまた数年経っているのかもしれない。
    ホワイトのいない時間がこれほど苦痛だとは思いもしなかった。
    ――なぜあの時ホワイトの言葉を聞かなかったのか
    ――夢想するばかりで目の前にいる大切な存在に気づけなかったのか
    ――なぜこんな愚行をしてしまったのか

    後悔ばかりがスノウの胸中を占める。
    もういっその事、痛いばかりの心臓を取り出してホワイトの所へ逝ってしまおうか。

    そんな事を思った時だ。
    握っていた手のひらに、僅かに力が込められる。
    パッとスノウは顔をあげた。
    「ほわいと? ホワイト、ホワイト!」
    請うように呼びかける。
    心臓は動いてない。体温だって感じない。
    それでも、ホワイトはもう一度、ゆっくりと瞼を開けた。緩慢な動作で、視線をさ迷わせスノウと目が合う。
    「す、のう」
    ひしゃげた声だった。ガラガラで、聞くに耐え難い。それでもスノウはその声を、ずっと待っていた。
    「〜〜っ!」
    スノウは抱きついた。ボロボロと泣きながら。ホワイトもまた、泣いていた。
    ――魔法によって失った命は、魔法によって魂を繋ぎ止められた。これは双子だから出来た、奇跡のような出来事。

     そうして二人は雪の上で眠りにつく。揃って瞼をぱんぱんに腫らした双子は、同じ夢を見る。
    ――――独りで旅に出る夢を。



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