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    MOURNING『それはサーバーエラーを起こしている』

    前かいたシロアカのアカギさん目線の話。
    救いも何もないその2
    【500 internal server error】 晴れた昼下がりのことだ。夏も終わりに近づいていたが暑苦しい熱気は冷めることを知らず、むせ返るような暑さが続いていた。一見優雅に見える図書館通いも以前から計画していたもので、購入や貸出が厳しい本を事前に把握し、決めておいた本を片っ端から読み漁るだけの、優雅の欠片も無い物だった。春も秋も冬も時間が無く、長い休みのある夏だからこの場所に……否、今も時間があるわけではない。図書館で勉強すると嘘をついてまでこの場所に通い詰めている行為は、常人から見たら異常とすら思われるのだろう。それ程時間も、精神的猶予も欠け落ちていた。それが少しづつ馴染み、習慣にになりかけていた頃の話だろうか。

    「あっ、あれ」

     よく通る、少し訛りの入った声。歳はまだ若いか。この図書館で人が最も来ない、隅の方に席を陣取り本という壁を作ってまで外界を遮断していたというのに、女の声で私の静寂は呆気なく崩れた。流行りの曲を聴いても雑音にしか聞こえないからと、耳栓替わりにしていたイヤホンに音楽を流していなかったのは不運だったかもしれない。
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