ひたりと触れる背中。ぽこぽことした背骨が当たる部分がこそばゆい気がして僅かに腹筋が動いた。

「ん？なに？」
「研磨。ちゃんと食ってる？」
「食べてるでしょ。さっきもお蕎麦食べたじゃん」
「そーね」

とぷんと沈めた湯の中で指を絡めたり親指の付け根辺をむにむにと揉んだりひとしきり黒尾の手で遊ぶ。
熱すぎずゆったり浸かって居られる湯加減がじわじわと身体の疲れを癒していく。
濡れ髪の張り付いた項に鼻先を付けると最近変えたトリートメントの香りがした。

「なんでコレに変えたんだ？」
「いやだった？」
「そうでもないけど。こういうのそんなに拘る方じゃないだろ？」

黒尾が覗き込むように身を傾けながら耳朶を齧ると湯を波だてながら研磨が身体を回し向かい合った。

特別何かがあったわけじゃない。
朝、寝坊した。出社に間に合わないとかではないけど。
書類の記載ミスを指摘された。大事ではないけど普段ならこんなミスしないのに。
突然の外回りが入った。柔軟剤かフレグランスか知らないが頭が痛くなるほどの香りを撒き散らす苦手な女性が居る。
兎に角。
小さなマイナスが積もった日だった。

「けんまけんまけんまけんまけんま」

呪文のように頭の中で繰り返しながらもはや走って家路を急ぐ。
スーツにスニーカーの高身長な男が走り去るのを幾人もの人が振り返る。

「けんまけんまけんまけんまけんま」

玄関の扉を引くとすんなり開いた。
普段なら施錠していない無用心を叱るところだが今日は手間が省けたと喜んだ。
中に入りしっかり施錠して帰宅の声を投げた。

一體「如果說你想吃掉我的話就來吧。」
宮治聽到回答後瞪大了雙眼，他早已做好被雙胞胎兄弟白眼或是被嘲諷幾句再衍生為打鬥。
然而宮侑像是聽到自己問他「晚餐吃什麼？」一樣平靜，坐在床邊的宮侑向宮治張開雙手似是投降但更像是對宮治的歡迎。
「反正我們本來就是一體的嘛。」
–
「角名，你不覺得侑他看起來很好吃嗎？」
坐在宮治對面吃著午飯的角名聽到後抬頭看向宮治，然而後者只是靜靜地吃著自己的午飯，彷彿剛剛說的話沒有任何不對勁只留下角名一個人風中凌亂。
「你餓的話要不要再去買個麵包吃。」
角名最終只能把宮治說出來的話當成宮治太餓所說的胡話，而宮治聽到後只是抬頭看了一眼角名隨意的發出個音節敷衍過去。
這件事就被隨意地翻篇，就當成是午飯時間男子高中生的閒聊日後角名也不會憶起這件事。