ハルモニア道中「どうしてあなたが一緒に来るのか理解出来ないんだけど」
ハルモニアに向かう旅の最初の日、アップルに心底不思議そうな表情で尋ねられた。
役目も終わり トランに戻るのでは無かったかと、多分本国の役人達の会話を聞いていたのだろうと察したが、なんでも親達の思惑通りに動く義理は無いんだよなあと苦笑する。
「まあ気まぐれかなあ、まだ国に縛られるのは早いかなっと」
そう言うとアップルは少し眉を寄せ困った様な泣きそうな顔をする。
「家族を困らせるなんて贅沢な人よね、シーナは、待ってるでしょうにアイリーン様」
「んーでも俺は今、せっかく再会出来たアップルともっと一緒に居たいって感情が大事なんだよね。今捕まえとかないと またどっかで戦争に巻き込まれそうで」
「何それ、人をなんだとっ」
「いや事実じゃん、せっかく平和に暮らせたのに何で隣国でまた軍師やってんのさってびっくりだ」
なんか成り行きとか勢いと、子供達をほっとけ無かったってのはわかるんだけど、どーして余計な所ばかり義理父で師匠に似てしまったのやら。
「それに女の子の1人旅は色々危ないからさ、出来れば今度は自分で護りたいって言うか、男連れなら馬鹿もよって来ないだろ。自分で気づいて無いだろうけど、アップルすげー綺麗になったから 心配なんよ俺」
「そんな事…」
ある訳無いと否定の言葉を留まらせる様に 額を合わせ牽制の様に抱きしめた。
いやあんた3でも結局巻き込まれたんだか首突っ込んでましたよねってツッコミ。
まあアレはシーザーも悪いが。
グラスランドから帰国して、トランってかセイカに戻って欲しいよねと思い続けて20数年。