アラグの秘儀をご覧あれ 聞き慣れぬ騒がしい、しかし不快にはならない活力のある声。それに釣られるようにグ・ラハが顔を覗かせると、普段いない冒険者の一団が聖コイナク財団の調査地に常駐するギルドリーヴ担当官の前に集まっていた。
そのうちの一人、見覚えのあるような小さな影がこちらに振り返り数瞬辺りを見渡し、そして目が合うと笑いながらこちらへ駆け寄ってきた。
「ああいたいた!」
「誰かと思ったらやっぱあんたか!」
近付いてきた顔は見慣れた女性、エオルゼアの英雄である冒険者、その人だった。グ・ラハが笑い返して手を上げ挨拶すれば、彼女も同じように軽く手を上げる。
「いつものローブと違うよな? 遠目じゃ全然分からなかったぜ」
「今日は癒し手(ヒーラー)の仲間がいたから、久し振りに攻撃術士(キャスター)に回ったの」
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