ポンコツ認定されてる「……父さんも母さんもすごい医者だってのは分かるよ。完全に理解するにはまだまだ知識も経験も技量も何もかもが足りないけど、凄いってのだけは分かってる」
尊敬もしてるしね、と少しだけ照れたように言うスーパードクターの息子はかつての一也に似ていた。同じ年の頃、一也も同じ気持ちを抱いていた。今も尚、それは変わらない。
「けど、…………ねぇ」
ウン、と双子は顔を見合せ、頷き合う。そこには実子ならではの苦労が詰まっていた。
「お父さん、お母さんが絡むと途端にポンコツっていうか……」
斎藤は目を見開いて「ぽんこつ」と聞き慣れない言葉に(言葉自体は聞き慣れているがそれがかかる主語となる人物がイコールとして繋がらなかった)おうむ返しに復唱する。隣にいる椎名も同じ様な反応である。
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