光のお隣さん/第五話 ロケットの打ち上げには途方もないエネルギーを要するが、成層圏外に出てしまえば、あとは慣性で進めるように。オープンから三ヶ月を過ぎると、店は、完全に安定した。書き入れどきとなる年末年始も充分な売り上げを確保でき、女性の常連客も定着。彼女らによる口コミで、ご新規さんもよく訪れた。
冬を過ぎればあとは次の冬まで生ビールの季節である。新入社員の歓迎会で大忙しの春を経て、取り敢えず生!が永遠に木霊する夏を捌き切り、そして、秋にひらいた店は、無事に、再びの秋を迎えた。赤字を出した月はなし。タチの悪い酔客による乱闘などを抑えるため、もしもしポリスメン?した回数もギリ一桁にとどまっている。当初の予想を遥かに超えた、順風満帆ぶりだった。
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