「そもそもDKが二人でひとつのアイス食うだなんて、誰も思わねーよな」
甘いもん好きな癖にアイスは半分しか食えないなんて、かーわいい。って揶揄う笑顔が人差し指で俺の頬を突つく。
もちろんそんなの嘘。甘い物好きなのはバレてたので、ひとつのスプーンを二人で使いたいが為に考えた末の苦しい言い訳。
お前先に食べていーよと言うので先に一口食べ、その間蓋に付いてたアイスを舐めとって、彼はカップと交換で蓋を俺に渡すけど「残ってねーし」「残ってたら舐めたかよ」と、ニシシと笑って俺が使った木べらでアイスを口に運ぶ。
はぁ、バレてんな。俺の気持ちを知っててわざとそんな態度なら、こんな回りくどいことしなくてもキスくらいできんじゃねぇの?
ぼんやり見てたら菅原が「あーん」と木べらに乗ったアイスを差し出す。俺が口を開けた瞬間それは彼の口の中に消え、代わりに冷えた唇が吸い付いてくる。
「残念でした」
「…は?」
これは俺の妄想か?残りのアイスは菅原に全部食われた。