あの日出会った君に渡す恋(新殺ぐだ♀現パロ)(ふぁ……)
春の暖かな日差しがガラス越しに室内を照らしていてただ座っているだけのこの時間はどうにも眠い。
松葉杖が床を叩く音にも慣れたけれど、やっぱり身動きに制限があるから気軽にカフェとかで待つ事も出来ないんだよね。
案内表示に書かれた数字はまだしばらくわたしの番になりそうもない。
老若男女が行き交う受付では、顔見知りになったけだる気な受付嬢が欠伸を噛み殺しながら肘をついてヒマそうにしている。読みかけの本でも持って来れば良かったなぁ。
スマホでも弄って暇を潰そうと鞄を漁り始めたその時、前を横切った人影がぽとり、何かを落とした。
あっ!と気付いて慌てて拾い上げようと思ったのに、ギプスでカチコチに固定されている右足が邪魔をする。
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