ワンドロ:眼鏡「好意が数値になるメガネ」
昼休みの休憩でトイレから帰ってきた守沢は、なぜかメガネを掛けていた。開口一番おかしなことを口走るが、おかしなとこはいつものことだった。
「俺は女の子たちから好かれていればいいから」
「バカじゃないの?そんな胡散臭いのどこで拾ってきたの」
「拾ってはいないぞ。先ほど逆先がくれたんだ」
拾っていなかったとしても胡散臭さに変わりはない。訝しげに見ていると、守沢はおもむろにメガネを掛け始める。
「瀬名も羽風も数値が0だな」
「男なんてゲロゲロ〜」
「馬鹿なことしてないで、はやく席座ったら?」
守沢がひとしきり教室内を回ったところでチャイムが鳴った。
「あら、なぁに?泉ちゃんメガネなんて掛けていたかしら?」
936