FNF_Investigator_AU Week3.3 とある街の路地裏。
日の光があまり届かないそこは、昼というのにやけに薄暗い。
壁にはアーティスト気取りの不届き者が描いたであろう無数の落書き、地面には街から隠すように放置された大量のゴミ袋が散乱している。
そんな治安の悪そうな路地裏を、俯き加減に歩く青年が1人。
癖っ毛のオレンジ髪に、左頬の獣の爪で抉られたような3本の傷痕が印象的だ。
青年が上着のポケットに手を突っ込み、ゴミ袋から零れ落ちた空き缶を蹴り飛ばしつつ歩を進めていると。
「だーれだっ♡」
背後から突然聞こえてきた、可愛らしい少女のような声。に、次いで青年は自身の背中にトン、と何か鋭利なものを当てられる感覚を覚える。
「……Nene」
青年は俯いたまま答えた。
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