SPICE×SWEET「ゲホッ……ケホッ……辛!!」
「あ?ちょうどいいだろ」
どこで調達したのか誰の差し金なのか、真っ赤なハートのボックスに入ったチョコレート。
あからさまに手作りのそれ。
「ん、」って仏頂面の頬をほのかに染めながら突き出されては、開けて食べない訳にはいかなかった。
食べたはいいが――――辛い!
確かにチョコの甘みがあるのに、あとから全力で唐辛子の辛みが舌を刺してくる。
「レッド!君、これ唐辛子入れたでしょ?!」
「あ?入れたけど?」
「チョコに唐辛子は要らない派だな、僕は……」
喉を通り過ぎていく辛さ。水もないので空咳で耐えていると、レッドはニヤッと笑ってこちらを覗き込んできた。
「こんぐらいの辛さでギブとか、先生も大したことねぇな?」
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