mailto いかにもヨーロッパという古く堅牢な街並みがすっかり夜に沈む頃、POG関連企業での仕事を終え、ようやく宿泊先のホテルで一息つくことができた。
POGジャパンの責任者とはいえ、普段ならそこまで詰め込まれたスケジュールになることはないが、今回の出張はそれこそ分刻みといった過密さで、供についてきたビショップはしきりに申し訳ありませんと繰り返した。気にしないでくれというセリフも同じだけ返したが。
出張の間、寝に帰ってくるだけだったホテルの部屋はよそよそしく、しかし疲れきった体は休息を求めていた。
まだ食事を取っていなかったが、階下へ降りていくのも億劫で、上着を脱いだだけで着替えもせずにベッドへ倒れこむ。
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