祭夜工務店の一幕登場人物
・祭夜なつの
祭夜工務店の社長兼メインスタッフ。諸事情により神様の格が落とされてしまった神様見習い。
見た目は10歳前後の少年。お山の守りをしながら里の人々の助けとなるために様々な事業を起こしている。
・御使い狼:名称未定
祭夜工務店のサポートスタッフ。
なつの氏が神様だったころからお仕えしている狼さん。
お仕事の際に周りから違和感を持たれないようにする術を使ったり、神様ネットワークを使っての仕入れなどを主に担当。
人の姿をしたときは7歳ほどの少年だが、けっこうスケベな一面もある。
以下本文
里のためになるように、と主人が始めたのは町のリノベーション事業。
神様としての格を取り戻すため!というのと、最近始めた配信?なるものを兼ねた一石二鳥の活動だ!とのことだった。
本日の依頼は山奥の別荘のクリーニングと改修。
普段自分たちが住んでいるのとは反対方向の山の中で、特に災害が起きたという話は聞いていなかったのだが、その土地はなかなかにすごいことになっていた。
「うわぁ……。なにがあったらこんなに汚れるんだろ?」
「最近ここらで水害が起きたって話は聞いていないんですけどねぇ」
家の周りの庭はめちゃくちゃの泥だらけ。柵だったと思われるものはなぜか圧し折れていてあちらこちらに散乱している。
肝心の家の本体は、庭に面した大きな窓?から土砂のようなものがなだれ込んでぐちゃぐちゃだった。
かろうじて2階部分は無事だったが1階部分は全改修が必要だろう。
「とりあえず、作業開始しないとな」
「そうですねぇ……。ところでなつの様?」
「ん?」
「なんだってそんな無防備な作業着なんです?」
「べ、別にいいだろ動きやすさと通気性を追求した結果なんだから」
動きやすさと通気性……。間違ってはいない。間違ってはいないのだけど、たぶん何かが違う気がする。
なつの様に仕えて云百年。この方の好みがそういうものだとは知っているが、せめて人里で動くときくらいはもう少し布面積を増やした服装にしてもらいたい。というのが本音だ。
毎度毎度術を使ってごまかす自分の身にもなってほしい。
「そんなこと言って、お前だって楽しんでるの知ってるんだぞ?」
「……」
なつの様の言葉に、そっと目を逸らす。
正直、なつの様は自分の好みど真ん中なのだ。
柔らかな面立ち、柔らかな肢体。高くも低くもない落ち着くお声。 そんなお方が薄着でいるのだから目の保養にならないわけがない。(御使い狼の個人的印象。筆者も否定はしない)
とはいえ……。
「だからといって、ここまで露出増やす必要あります?」
「あ、こら!」
慣れない人型の手を使っておーばーおーる?とやらを軽く引っ張る。
中は完全に素肌である。いんなー?とやらも全く身に着けていない。
「あらあら……切れ目もこんなに深く入って。ほとんど見えちゃうじゃないですか~」
手を入れてみると大事なところまで何の障害もなく見えてしまう。
すべすべのお肌が本当に心地いい。お腹と太ももの感触を堪能させてもらう。
大きく覗く脇腹に頬を寄せると、さすがに注意された。
「も~。今は仕事中なんだぞ?」
「いいじゃないですか。自分はちゃんと仕事してますよ?」
周囲からは違和感なく見えるように特殊な結界を張ってるし、今回の仕事に必要そうな最低限の資材や装備も用意はしてある。
もっとも、今回用意したものだけだと足りなさそうなので追加発注が必要そうだが。
「俺はこれからが本番なんだからな~」
「わかりましたよ~」
仕方なく離れると脇を挟まれて抱えられる。そして敷地内のちょっと高くなった、比較的きれいな場所に降ろされる。
「な、なつの様」
「危ないからそこでおとなしくしてな。あと、必要なものの追加発注よろしく」
「あ、あい……」
やはりなつの様はかわいらしくりりしい(御使い狼によりだいぶ美化されている。筆者も否定はしない)。
「いい子にしてたらあとでご褒美やるから」
そう言って微笑まれるともう反論もなにもできなくなってしまう。
神様ネットワークの端末で必要になりそうなものを手配しながら、働くなつの様を見守る。
でもやはり薄着が過ぎると思うのでどうにかしたい。せめて、あの露出度は自分の前でだけにしてほしい(御使い狼の願望。筆者も以下略)。
「ふ~。今日はとりあえずこんなもんかな。続きは明日にしよう」
「あい!こっちも家具などの発注は済ませました!」
「えらいえらい」
そう言って頭をなでてもらう。とても心地よくて天に上るようだ。
なお、その日の夜にご褒美として一緒に寝ていただいたのはここだけの話。
すべすべもちもちのお肌がとても素晴らしかったとだけ書いておく。
明日からもなつの様のお力になれるように精進していこう。